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生徒をやる気にする、きっかけとなる言葉にはどのようなものがあるか

 生徒はとてつもない可能性を秘めています。その可能性を引き出すのが教師の仕事です。
 可能性を引き出すきっかけをつくるのが教師の激励です。
 私は生徒たちを毎日激励してきました。生徒には良い考えを毎日伝え、幸せな人生を歩んでほしいと思っています。
 人間ならば、どんなにやんちゃな生徒でも必ず人の魂は伝わると信じている。
 教師と生徒は共に、泣いたり、怒ったり、笑ったり、生活を通して信じられるようになっていく。
 その場面、場面に生徒の成長をもたらす教師の言葉がある。 
 生徒は、教師の言葉によって「人間になる」のである。教師もまた「本当の教師になる」のである。
 生徒と過ごす多くの時間がそのことを私に教えてくれた。
 生徒をやる気にするきっかけの教師の言葉にはどのようなものがあるか。例えば
1 クラスをよくすることば
(1)
勉強が好きで学校へ来ている人はいない。みんな友だちと一緒に何かできるのが楽しくて学校へ来るんだよ。
(2)
どんなに悪いと思う出来事も、それは自分たちのクラスが良くなるために必要なことなんです。 
 全ての出来事は、自分たちの学級が、今よりも良くなるために必要な出来事である。
 問題を解決する行動を続けるかぎり、どんな学級も必ずよくなる。
 このことを何度も生徒に話すことだ。事件が起こるたびに、エピソードを変えて何度も何度も話す。
「友情、本気、全力」など、生徒が人間として成長し学級を良くするために必要なことは何度でも語る。
2 友だち関係を良くする言葉
(1)
友だちが大失敗します。それはなぜだと思いますか。それはね、自分が悪いことをしてみんなに、こんなことをするとダメなんだ、ということを教えてくれているんです。それをムダにしちゃいけない。
 失敗する仲間がいるから、自分たちは学べることがあることを話す。
(2)
友情は特別なもんじゃない。友だちの話が聞けるということは、友だちの存在を認めているということです。友情というのは、そういうささいなことの積み重ねで築かれます。
3 勉強をやる気にする言葉
(1)
勉強ができるようになるのは難しいことではない。先生の話を聞くこと。先生の言った通りにやってみること。それをやらない人ができなくなっていく。
(2)
誰でもできることを、できるときに、できるところまでやる。
(3)
やればできるようになる。何もやらないと何の進歩もない。
(4)
人の話をよく聞いていないと、だまされやすい。
(5)
できなくともチャレンジすることが大事。
(6)
続けることはあきらめないこと。あきらめないことは、夢をかなえること。
 習慣になるまで教師は励まし続けること。決してあきらめない。
4 掃除をやる気にする言葉
(1)
掃除を好きな人はいません。みんな掃除はめんどうくさいし、嫌なことなんです。そういう人が嫌がることを頑張っていると、必ず良いことがあります。
(2)
掃除に人柄が現れます。掃除ができる人は信用されます。
(3)
掃除は心遣いです。掃除をしている仲間が見える人は、仲間が悩んでいるときに気づける人です。
(4)
トイレには神様がいます。頑張っている人を神様は見ています。
 どんな掃除が良い掃除なのかを教師が示しながら生徒に語る。
5 もう一人の自分に克つことを教える言葉
(1)
人は誰でも、毎日、もう一人の自分と闘っている。
(2)
大事なものは、心の目で見ないとみえません。
(3)
弱い自分から目を背けぬことです。逃げたらだめです。
 自分のダメなところ、嫌なところを見つめていくことでしか、人は成長できないことを生徒に伝える。
(
垣内秀明:1965年長野県生まれ、長野県公立中学校教師。教育サークルTOSS中学信州代表)

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