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子どもたちを指導するための大切なポイントとは何か

 私たち(菊池道場)が子どもたちを指導するとき、大切なことだと考えていることは
1 子どもたちに「失敗感」を与えない
 自信のない子どもにとっては、みんなの前で失敗すると大きなショックをうけることになります。まちがいを恐れ、進んで友だちとかかわることのできない子どもに育ってしまう恐れも出てきます。
 子どもたちに失敗感を与えないようにするには
)まずは、成功体験を多く積ませる
 特に1年間の最初のうちは、子どもたちに多くの成功体験を積ませることを心がけています。
(1)
誰でも答えられるような簡単なことを尋ねて、発表させる
(2)
まず自分の考えを書いてから話し合わせる
(3)
友だちが言ったことをそのまま言わせる
(4)
進んで発表したり、友だちとかかわった子どものやる気を大きく認め、みんなで拍手する
 学級のみんなから認められた子は、何事にも進んで取り組もうとする子どもへと成長していく。
)間違った時には、教師のフォローで失敗感をもたせない
 一人の間違いを全員の学びにかえるようにします。
「〇〇くんのおかげで、みんなの勉強になりました。どんなことが学べたかノートに書きましょう」
と、全員の学びにつながることで、間違いを恐れない気持ちを育てます。
2 小さな伸びをほめる
 子どもたちは、ほめられると喜びます。
 ほめる点を見つけようと教師が思わないと増えません。見つけようとすると、どんどん増えます。
 基本は、子どもの「伸びた」ことをほめます。「伸びた」ことほめると、どの子でも同じようにほめることができます。子どもたちは「伸びる」ことが価値のあることだと意識するようになります。
 ほめることがないと教師が思うのであれば、ほめることができるように、声をかけたり、指導をしてみたりしてみるとよいでしょう。
 小さな伸びを見つけて、伸びを積み重ねていくことが、子どもの大きな成長には何よりも大切なのです。                
3 子どもたちに活発な対話をさせるために必要なのは、聞き手を指導すること
 積極的な聞き手を育てるためには、まず「うなずく」ことから始めるのがよいでしょう。
 その後で「視線を合わせる」などの態度面を充実させます。
 聞き手が発言するためには、
「話し手が言ったことを引用して返事をする」
「質問する」
「ほめる」
ようにします。
 子どもに、聞き手の技術が身につくと対話が活発になります。
 聞くことを楽しむことができるようになった子どもは、対話を楽しみ、話し手を喜ばせるようになっていきます。
 子どもたちに活発な対話をさせるためには、聞き手の指導が何よりも大切になります。
4 クラスの集団を高めるには、中位の子どもたちを上位の子どもたちに近づける
 クラスの子どもたちは、3つのグループにわけることができます。
(1)
クラス集団を強く意識し、高まりたい「上の2」(2割)の子どもたち
(2)
集団に対する意識をもつことができるが、周りの友だちの考えに引きずられる「中の6」(6割)の子どもたち
(3)
集団に対する意識が低く、友だちの考えや行動にあまり興味を持てない「下の2」(2割)の子どもたち 
 教師が初めに目をつけがちになるのは「下の2」の子どもたちが多いようです。クラスのルールなどになじめずにいる子どもたちに、どうしても目にとまり、指導をしてしまいます。
 そのため、「上の2」や「中の6」の子どもたちの意欲をそいでしまっています。
 クラスを集団として、より高みに上げていくために大切なのは「上の2」や「中の6」の子どもたちの意欲や行動です。
 そこで、まずは「下の2」の子どもを意識しつつ、「中の6」の子どもたちが「上の2」の子どもたちに近づくように指導していきます。
 つまり、「中の6」の子どもたちにも「上の2」の子どもたちの持つ考えや行動を強く意識させ、行動させるようにするのです。
 そのようにして指導を続けていくと「下の2」の子どもたちも自然と上の方に引っ張られ、集団を意識せざるを得なくなっていきます。
 例えば、ある子が朝「おはよう」と友だちに挨拶したら、教師は挨拶した子をほめます。そして「おはよう」のひと言が、クラスを集団として変容させていくことを話します。「おはよう」という挨拶の行為を「価値づけ」ていくのです。
 集団としてよいと思われる行為に「価値づけ」していくのです。
5 クラスの短期・中期の目標を設定して指導する
 多くの学級では、新学期の4月の始めに学級目標を決めています。
 しかし、学級目標は1年後のめざす子どもの姿であるということです。
 常に子どもは変化し、発達するものである、というとらえ方をします。変化・発達していく子どもたちに、ずっと同じようなことを指導していても、それ以上の成長はのぞめません。
 実際に子ども同士が関わり合う体験を積み重ねながら少しずつ身についていくものです。
 例えば、コミュニケーション力を育てていこうとする場合、1年後の子どもたちの姿を見据えながら、スモールステップでコミュニケーション力を身につけていけるようにしましょう。
 コミュニケーション力について指導するとき、相手のことを考え、思いやる心を育てていくように心がけるべきです。
「もっと友だちと仲良くなりたい」「もっと学級のみんなと成長したい」という思いが育っていない子どももいる。
 その時の子どもたちの心の成長をていねいに見取りながら、実態に合わせながらコミュニケーション力を高めていく指導をしていきましょう。
 すぐに成果を求める速成指導は避け、短期・中期の目標達成を積み重ねていくことにより、少しずつ学級目標に近づけていくことが大切です。
(
菊池省三:1959年生まれ、 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞
)

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