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「まちがい」を笑う子どもを教室からなくすには、どのように説得すればよいか

 教師になりたてのころ、授業中、子どもの「まちがい」については、特に意識しなかった。
 子ども同士、まちがう子を笑っていたし、私も思わず笑ったりした。
 あるとき、まちがいを笑われた子がうつむいて涙をこぼした。私はハッと胸を打たれ、目を開かされた。
 他の教室をいくつか授業参観していると「まちがいを笑う教室」と「笑わない教室」があった。よく注目して見ると、その原因は教師の姿勢、構えにあるのだと気づくようになった。
 私が担任したクラスでも、友だちの「まちがい」を嘲笑する教室の雰囲気があった。「これではいけない」と痛感した。
 保護者会で、ある母親が「わが子が、わかっていても手をあげないのは、友だちに笑われてからです」と言った。
「まちがいを笑う教室」「まちがいを気にしすぎる子ども」という二つの現実があり、子どもも、教師も「まちがい」の考え方や気持ちを変えていかなくてはならない大事な問題なのだと思った。
 そこで、教育や授業の在り方を問い直し、子どもへの働きかけ、話(説得)を次のようにしていった。
1 子どもと共に「考え方」を変えていく
(1)
子どもたちに、学習すること実体を考えさせ、「わからない」とか「まちがい」を気にしないようにさせる
教師の子どもたちへの話(説得)
「勉強は『わからないからする』のです。だから、まちがいや失敗をします」
「恥ずかしいと気にしないことです」
「先生だって、わからないことが一杯あって、まちがいも失敗もします」
「勉強で大切なことは、まちがいを気にするよりも『わからないことを質問する』、そして、『自分の思ったことを発表する』ことです」
「それが自分の力になっていくのです」 
(2)
「まちがい」は「注意しなさい」と、教えてくれる「先生のようなもの」だと、気づかせる
教師の子どもたちへの話(説得)
「小学校1年生が『3』の数字を書くときに、黒板に『ε』と逆に書いた子どもがいました」
「すると、みんなが笑ったり、バカにしたりしました」
「しかし、そのまちがいのおかけで、クラスのみんなが『3』という数字の書き方をしっかり覚えたのです」
「このことから『まちがい』や『失敗』についてよく考えましょう」
「あるとき、前を歩いていた人が、急にころびそうになりました。『どうしたのかな』と思ってよく見ると、その場所だけ道がへこんでいたのです」
「その人のおかげで、注意してそこを歩いたので、私はころばずにすみました」
「このように『まちがい』や『失敗』をした人は、私たちにとって、ありがたい人ではありませんか」
「つまり『まちがえた人』は私たちに『注意しなさいよ』と教えてくれる人、『先生のような人』だと思います」
「そう思うと、その人を笑うことはできないはすです」
2 この出会いから学んだこと
 こうして「まちがいを笑わない教室」に変わった。この出会いでのポイントは
(1)
子どもの気持ちを理解しようと常に意識し、努力していなければ「笑われた子」見つけることはできない。
(2)
「笑わない教室」へ変えるために必要な工夫は常日頃の情報収集や学ぶ姿勢が不可欠である。
(
香川英雄:教育評論家)


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