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授業中に子どもが興奮し、怖くて注意できないとき、どう指導すればよいのでしょうか

 授業中に、子どもが興奮して「むかつく」「いやだ」などと子どもに言われたとき、教師の中には「ふざけたことを言うな」「許せない」と思う人がいるでしょう。
 教師がこう思ったときは、深呼吸をして冷静になって対応するようにします。教師が興奮すると体罰をするおそれがないとは言い切れないからです。
 聞こえないふりをしたり、無視したりすることは、教師のとるべき態度ではありません。
 たまっていた子どもの不満が爆発した信号ととらえる姿勢が、教師には必要だからです。
「もう一度言ってみろ」と、教師が言い返すと、教師と子どもが同じ位置に立ってしまったことになり、けんか同然の状態になってしまいます。
 やはり、興奮状態にある子どもを、落ち着かせることを心がけましょう。同時に、教室内の動揺を防ぐことも必要です。
 教師が「どうした」「大丈夫か」などと、その場の状況をとっさに判断して、言葉をかけてやります。
 子どもの側面や背面から声をかけることも教師の安全確保上は必要かと思います。
 興奮した子どもは「うるさい」としか、答えは返ってこないと思います。
 怖くて声もかけられない状況が教室に生じ、教師が動転してしまえば、それにつけ込んで騒ぎが大きくなったり、荒れが激しくなることだってあります。
 動転した姿を教師が見せることは、努めて避けたいと思います。
「ちょっと待って」と言いながら、近くにいる教師や隣の教室の教師と連絡して応援を求めます。
 そして、数名の教師の手で「きれた」「うるさい」「くそっ」などと、叫び騒ぐ子どもを落ち着かせます。
 暴れ騒ぐ子どもを、相談室などに連れて行ってから、言い分や気持ちをたずねます。
 部屋の中で暴れる恐れもありますから、テーブルをはさんで話し合うような配慮も大事です。
「反省しろ」と突き離していたのでは、問題の解決にはなりません。むしろ、反感を抱かせる恐れがあります。
 後日トラブルになることを防ぐためにも、複数の教師やスクールカウンセラーが、子どもの心を尋ねることが必要とされるでしょう。 
 こうしたことについて、学校としての対応策をきちんと立てておくことが必要です。
(
飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長、千葉県浦安市立小学校校長を経て、千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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