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教師の言うことを、子どもが心から従うようになるには、どうすればよいか

 子どもがバラバラになり。教室が騒然となる原因は教師にある。
 子どもの責任にする教師は、いつまでも、技量が伸びない、伸びようがないのである。
 自分の責任として考えるから、何とかしようと思うから研究するのである。
 教師が「子どもを動かす法則」を知らないからいけないのである。
 では「子どもを動かす法則」は何か。それは、ただ一つである。
「最後の行動まで示してから、子どもを動かせ」
 子どもを動かす秘訣は、これに尽きる。
「最後まで、どうやっていくか」ということが、わからないから、子どもは場当たり的に行動するのである。
 この法則を支える補則は
(1)
何をするのか端的に説明せよ。
(2)
どれだけやるのか具体的に示せ。
(3)
終わったら何をするのか指示せよ。
(4)
質問は一通り説明してから受けよ。
(5)
個別の場面をとりあげ、ほめよ。
 これを、子どもたちに「校庭の石拾いをさせる」ことを例に説明します。
 教師はやることを、子どもたちに端的に示さなくてはいけない。よけいなことは言わない方がいいのだ。
「これから校庭の石を拾います。石はこのバケツに入れます」
 次にどれだけやるかも、端的に示す。
「五分間だけ拾います。五分たったら笛をふきます」
 これだけでも、子どもはやることがはっきりする。
 終わったら、どうするかも、前もって指示しなくてはならない。終わった時にどうするかという指示がないと、活動した後、崩れてしまう。
「終わったら、今の場所に集まって、すわって待ちます」
 さて、ここまで言ってから質問を受ける。途中で質問を受けてはならない。途中で質問を受けると、子どもたちの頭の中が混乱する。
 まず、最後まで一通り説明するのである。すると、はっきりとしたイメージが描ける。それから質問を受ける。
 一度、説明したことを二度言わなくて良い。「前に説明しました」と、きっぱり言えばよい。
 例えば「木の枝も拾うのですか」というような質問が出る。答えは端的に言う。「拾います」これだけでいい。
 質問はスピーディーにやっていくのである。長々と聞く子には「短く聞きなさい」と言う。動作の指示に対する質問は短くさせた方が良い。授業の場なら長々と聞く時もある。
 以上のことをすべて2,3分で終える。
 こうしてから子どもに石拾いをさせる。
 終わったら、子どもたちが集まってくる。やらせっぱなしはいけない。
 こういう活動の時に、光っている子どももいる。それをとりあげてほめる。
「〇〇さんと、△△さんは、こんなにいっぱい拾ってましたよ。先生は、すごいなあと思いました」
 これくらいでいい。まじめに仕事をした、そして授業では目立たない子をほめる。
 時には、仕事をしない子もいる。仕事をしない子を叱りたくなる。叱るのは、後になってからでもいい。
 まずは、ほめることだ。子どものいいところをさがしてやることだ。
 こうすると、学級全体の子どもが変わってくる。さぼっていた子も、さぼらなくなる。
 そうなってきて、なお、さぼる子なら叱ればいい。
 ところが、教師は、しばしばこれを逆にする。悪い子を叱るだけで、良い子をほめないのだ。教師は悪いところたけを見ているのである。
 子どもを評価するとは、まず、良いところを見てあげることだ。それをほめてやることだ。
 ほめてほめて、ほめまくるくらい、良いところを見てやることだ。
 それから、悪いところを叱ればいい。
 自分の良いところを見つけてくれる教師の言うことなら、子どもは心から従うのである。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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