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あなたに子どもの心が聞こえますか?

 日頃から、言葉にはしないけれど、自分の頭の中に自分の声が流れていますよね。その時「自分の心」を聞いているわけです。
 この「心」の本質は、子どもの頃に形成され、常にその「子どもの心」が皆さんの中で、いろいろな「心」を発しています。
 本物のコミュニケーションとは、自分の中の「子どもの心」と、他の人の中の「子どもの心」との対話です。年齢も、性別も何も関係ありません。
 コミュニケーションは、心と心が通い合い、そこに「笑顔」をもたらす瞬間に「かたち」になります。
 このコミュニケーションを置き去りにすると、他者から受け入れられず、傷つき、また自分も他者を受け入れることができなくて、傷ついたりします。
 そう、生まれてからずっと息づいている「子ども心」を聞きましょう。人が人らしく生きる、それを可能にするのが「子どもの心」なのですから。
 大人になっても心に残っている小学校の頃の「子どもの心」に耳を傾けてみましょう。
 小学校時代の子どもの心は幼児期に次いで重要です。なぜならば、小学校入学以前の幼児期は、相手を通して自分を知ろう、形成しようとする時期である。
 一方、小学校の6年間は社会の縮図と言える小学校を中心に、自分の世界観を確立するために、懸命に遊び、何かを頑張り、人とは異なる自分の記録を作ろうとする自己形成の大切な時期である。
 さらに、自分の味方となる人、敵となる人、信頼できる人、心を許す人、本当に自分を真剣に理解しようとする人を懸命に見極めようとする時期でもある。
 生まれて初めて自分の心と五感を駆使して、自分と関係性を作っていく人の選別をする時期であるとも言える。
 つまり、小学校時代とは、自分の個性を発揮しつつ、大人との向き合い方もいろいろと考えながら模索している。
 ある意味で一番大人に対して厳しい、妥協のない目を向ける時期なのではないか。
 そして、自分のテリトリーの手応えを身体全体で受け止め、形成しようともがく。純粋で曲がったことが嫌いな、妥協を知らない貴重な時期であると私は考えます。
 大人としてやさしく、寛容な気持ちで、自分の中の「子どもの心」とも、他人の中にある「子どもの心」とも向き合ってほしいと切に願います。
 私たちが、今まさに「子ども時代にある子ども」と向き合う時には、大人の心の奥底にある「子どもの心」が、一番の相談役になるわけです。
 私たちがどのような生き方を提示してきたのかは、私たちが自分の内面に生息する、自分自身の「子どもの心」とどのように向き合ってきたかによって、その価値が決まります。
(
長谷部葉子:東京都出身、慶應義塾大学准教授。不登校、高校・大学受験失敗などの経験から、20歳代半ばで寺子屋を立ち上げ、教育支援に携わる。教育とコミュニケーションを研究)

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