チャイムが鳴ったのに席に着かず、私語やマンガを読んだり遊んだりして授業が成立しない時、どう対応すればよいのでしょうか
チャイムが鳴り、授業の挨拶をしようとしても、教室が騒然としているとき、どう対応すればよいのでしょうか。
このような場合、注意すべき子どもをピンポイントで指導して、学習態勢の確立をはかるようにするとよい。
子どもの名前を呼び、具体的な指示を出した。
「〇〇くん、前を向いてください」
「□□さん、口を閉じてください。号令がかかっています」
「△△さん、手を膝の上に置きましょう」
そして、その子がきちんとしたら
「OKです。ありがとう」、「はい、できました」
と言うようにした。
また、一度で直らない子には
「〇〇くん、2回目の注意です」
と、毅然かつ冷静に指導した。
このようにして、全員の学習態勢が整ってから授業に入るようにした。
そのとき、個別の子にも全体の子どもたちにも、もくどくど説教はしなかった。
きちんとできたことを認めて授業を始めた。
ほかの方法の例を次に示すと、
「教科書の〇ページの一番上の番号1を指でさしなさい」
と指示を出す。
教師が「5,4,3,2,1」と数えて少し待ったあと、教室の端の子から一人ずつ「〇、〇、〇、×、・・・・・」と言いながら評価していく。
また、リズミカルに「マル、バツ、マル、マルのマル」などと言いながら机間を回る。
これを何回か実施すると、すぐに教科書を開いて指がさせるようになった。自然に学習態勢が整った。
よくない方法は「静かにしなさい!」といった全体への注意です。
子どもたちは自分に向けられた言葉だと感じない。
大声でどなると、全体萎縮させ、きちんとしている子にも「なんで僕たちまで怒られるの」といった受けとめ方をされてしまう危険がある。
注意や指導は、それを必要とする子に直接向けられるべきである。
ほめることは、全体へふくらませて効果がある。しかし、叱ることは、その個人に限定したほうがよい。
(神部秀一:群馬県公立小学校教師)
| 固定リンク
「授業中の生活指導」カテゴリの記事
- 授業中におしゃべりをやめない子どもがいるときどうすればよいか 富永裕一(2021.07.21)
- 授業中の子どもたちのおしゃべりのなくし方(2020.11.05)
- どの子も「話を聞き・考え・説明」できるようにするには、どうすればよいか(2020.09.23)
- 子どもたちの学習態度を育てるにはどうすればよいか、また机間指導中に行うべきことなんでしょうか(2020.08.30)
- 「授業を通して人間関係を強化し、集団をつくる力を養う」実践例(2020.07.03)
コメント