他の子どもの発言に無関心な子を、聞き上手にするにはどうすればよいか
クラスの子が発言しているのに、顔を見ようともせず、自分は関係ないといった態度でいる子どもが多くいます。
一番失礼なのは、人が発言しているときに「どうでもいいや」という態度で聞くことです。
どうすれば聞き上手な子どもになるのでしょうか。
子どもに「話を聞く目的を与える」と、よいと思います。
他の子どもの話を次のような視点で聞くようにします。
(1)なぜ、この子は、こんな発言をするのか。
(2)ほんとうに、何が言いたいのか
(3)その子の言っていることは、正しいのか。
このような視点を持っていれば、どんな発言も退屈せずに集中して耳を傾けられます。
他の子どもの発言に対して、その内容の当否や深さ浅さなどを、常に評価し続けるのが聞き手の作法です。
また聞くことは、自分の思考力や判断力を高める大きなチャンスでもあります。
ですから、私は子どもたちに対して、次のように話しています。
「なぜか」
「ほんとか」
「正しいか」
「この3つをいつも頭の中において、人の話を聞きなさい」
「わからないことは、たずねなさい」
「おかしいと思うことは確かめなさい」
「まちがいだと思うことは、指摘しなさい」
「ぼんやりと、どうでもいいや、という態度で聞くのは最悪です」
これは、大人にも通用する聞き方の大原則。
よい聞き手の育成は、発言する技術の訓練以上に難しいものですから、折りにふれ、繰り返し、一貫した姿勢で語り続けねばなりません。
もうひとつ、教師にとって重要なのは、この3つの中の「なぜ」です。
どんな誤答や奇数であっても「なぜ」この子はこんな発言をするのか、なぜこんな風に考えたのか、その問いかけが教師としての、先入観を取り払い、子どもの心に迫る糸口になってくれます。
(野口芳宏:1936年生まれ、公立小学校・千葉大学付属小学校教師を経て、公立小学校校長。退職後、北海道教育大学・植草学園大学各教授、千葉県教育委員会委員等を歴任し、植草学園大学名誉教授。「鍛える国語教室研究会」「授業道場野口塾」「実感道徳研究会」各主宰)
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