休み明けに茶髪やピアスをしてきたとき、どう指導すればよいか
夏期・冬期休業前に、集会などで茶髪やピアスに関する事前指導が行われます。
しかし、休み明けには、事前指導の効果もむなしく、茶髪やピアスをしてくる現実に直面することも多いのではないでしょうか。
茶髪やピアスに対する指導には2つ考えられます。
1 校則を破ったことへの指導
茶髪やピアスを直させる指導です。この指導は、生徒が素直に直さない場面も予想されます。
茶髪にしてきたら、いつまでに黒く直すのかを約束させます。できれば即日中に直させる。
ピアスは外させて教師が預かります。そして、いつ、どこで誰と誰が穴を開けたのかを確認します。
どちらの場合も、2度としないことを約束させましょう。
また、保護者にも必ず連絡を入れ、学年主任や生徒指導部の先生とともに家庭訪問に行くことをお勧めします。
複数体制で取り組んだ方が、生徒を大切にしているという思いが伝わりやすいからです。
2 生徒の内面の理解に向けた指導
なぜ校則を破ったのかという生徒の背景に迫り、直させていく指導です。
(1)生徒に存在が認められていることを意識させる
茶髪やピアスをする生徒たちの内面は、自分自身に自信がもてない、自分を認めてほしいなどの気持ちが考えられる。
ほとんどの場合、親の愛情不足や放任されている状態です。
まずは、教師がふだんからあいさつや声かけを行い、生徒の存在を認めていきましょう。
もし、髪の毛を黒く戻す、ピアスを素直に外した場合は、生徒がそれなりの覚悟を決めた行動の表れです。
必ずその行動自体をほめ、生徒の自己有用感を高めましょう。
(2)級友からの評価を意識させる
茶髪やピアスをする生徒は、なかなか素直には直せないのです。
しかし、級友による声かけが、茶髪やピアスを直させるきっかけになることもあります。
級友のひと言は、教師の説教じみた説諭よりも何十倍も有効です。
(3)雰囲気づくりを意識させる
生徒たちが自分たちで決まりを守っていこうという学級や学年の雰囲気をつくり上げることが大切です。
茶髪やピアスをする背景や気持ちについて、生徒に考えさせ、話合わせます。それにより、生徒たちは、他人事ではないと考え始めます。
もし学級に茶髪やピアスをする生徒が現れても、排除ではなく、一緒に過ごすために何ができるのかを考えるようになります。
そんな思いやりのある学級の雰囲気が出来上がると、茶髪やピアスの生徒は、その思いを敏感に感じ、その思いに応じていくのです。
(北原英法:北海道室蘭市立中学校教師)
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