保護者からの苦情を防ぎ、保護者と関係を築くには、どうすればよいか
保護者対応と聞くと、苦い経験がある。
初任者のとき、私はまだまだ未熟で、保護者から信頼されているとは言えない状況だった。学校に電話が鳴るたびに「自分ではありませんように」と願った。
二つ目は、教師になって7年目。初めて1年生の担任になった。
私のクラスには毎日遅刻する子どもがいた。そこで、家庭でもしっかり指導してもらおうと、連絡帳で「登校時間に間に合うように協力してください」と伝えた。
私は心の中で「どうして、家庭で、ちゃんとしてくれないんだろう」という思いがあった。
次の日、母親から返事があった。「家でも声をかけているが、うまくいかず、つらい思いをしている」ということが書いてあった。
私は「母親を傷つけた」と後悔した。もっと他に伝え方はなかったのか。今、思いだしても、申し訳ない思いでいっぱいになる。
私は一目見ただけで「この先生なら安心だ」と思ってもらえるようなタイプではない。
こんな私でも保護者に信頼してもらいたい。どうしたらよいのか考えた。
私は自分のキャラクターを考えて、まず、保護者に笑顔になってもらうことから始めてみようと思った。
保護者と笑顔で話ができるようになることで、私への安心感の第一歩につながるのではないかと。
同僚の教師が
「職員室に保護者が来たら、立ち上がって、ドアまで用件を聞きに行くようにしている」
「保護者も職員室にそんなに来たくないと思うから」
と教えてくれた。
その日から、私は職員室に来るお客さんには立ち上がって対応するようにした。
廊下で会った保護者には、笑顔で「いつも、ありがとうございます」「お疲れ様です」などと挨拶するようになった。
そして、他にひと言、付け加えるようにしている。そこから、話が広がることもあったし、家での生活の問題などを教えてもらえることもある。
それは、安心感につながっていくのではないかと思う。
3年生の担任のとき、父親から学校に苦情の電話があった。
「わが子が友だちに傷つく言葉を言われた」と。
そこには、わが子がいじめにあっているのではないかという、心配と怒りがあった。
学校はどういう指導をしているのか、という不信感もあったと思う。
私は、心臓がどきどきしながらも、頭は冷静になろうとした。
私は、子どもたちから聞き取りしたメモを持ち、状況を説明し、子ども同士で解決したことを伝えた。
電話対応では、保護者の話を穏やかに聞き、保護者の思いをくみとる。
詫びるところは詫び、最後に自分の考えを冷静に伝えることが大切だと私は考えている。
ここで、失敗すると後から大変なことになってしまう。
電話対応で、30分以上かかりそうな場合は、家庭訪問させてもらったほうが、お互いの話が伝わりやすいので、その見極めも気をつけている。
苦情などの電話があった場合は、当たり前のことだが、その子の様子をいつもよりよく見て、声をかける。
事態が好転すると、つい忘れてしまいそうになるけれど、保護者の心配は続いている。
参観日などで保護者に合えたとき「この前は、ご心配をおかけしました。その後どうですか?」と必ず声をかけている。
また、学級でのトラブルで保護者に伝えて分かってもらった方がよいと思ったときには、学級通信で伝えて問題を共有できるようにしている。
「先生、うちの子のこと、お願いします」と言ってもらえるように、笑顔と心配りで関係をつくっていきたい。
(戸来友美:北海道千歳市立小学校教師)
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