まったく掃除をしようとしない子を、どう指導すればよいか
掃除になると、どこかに消えてしまう。いても、ほうきをもって立ち話をしている子がいる。どう指導すればよいのでしょうか。
掃除を強制されることへの反発ではないかと考えてみる。
掃除を「しなければならない」と、決められること、強制されることに対して反発することで、自分の存在をアピールしているのではないか、と考えたい。
注意するより「ストレスの原因は何か」を読み解く努力をしたい。
本人と直接話すのが手っ取り早いが、拒否された場合には回復が難しい。
まず、親しい友だちを呼んで事情を聞いた。
本人に伝えたいメッセージをまわりの友だちに話すことで、間接的に本人に伝わることを目的に次のように話した。
「先生は怒っているんじゃない」
「何か不満や困っていることがあるんじゃないかと思って、〇〇さんのことを心配しているんだけど」
「何か相談にのれることや先生が力を貸せることがあったら、言ってほしい。〇〇さんにも、そう伝えてほしい」
次に、本人と直接話すことにした。
親友が本人を連れてきて、一緒に話す場をつくった。
本人を交えて話し合う中で、やっと友だちとの人間関係に原因があることがわかった。
掃除をしようとしない子を、指導する、その他の方法を次に示す。
担任が掃除をしながら「△△くんの掃き方はじょうずだね」「□□さん、家でも手伝っているでしょ。手つきがいいね」と、まわりの子の動きをほめた。
そうして頃合いをみて「〇〇さん、黒板を消してもらえるかな?」と依頼口調で語りかけた。
活動すると具体的に評価ができるからである。
仕事が終わったら、できは不十分でも「ありがとう。きれいになったね」と声をかけた。
子どもは、そのひと声を待っているからである。
よくない方法をつぎに示すと、
掃除の点検表を作って、チェックを厳しくしたり、掃除のマニュアルを作って、とにかく「掃除をやりなさい!」という高圧的な指導では、本人のストレスをさらに増やすだけである。
掃除当番全体の責任を追及したりすると、掃除をやらない子だけでなく、まわりの子も「なんで私たちが責任をとらなくちゃいけないの!」と教師への反発を強めることになる。
(及川宣史:札幌市公立小学校教師)
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