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悩みや憎しみは、どんどん膨らんでいく、どうすれば楽になるのでしょうか?

 悩んでいる自分を認めず「こんなふうに悩んでいてはだめだ」と責めてはいけません。
 悩みは鎮まるどころか、かえって膨らんでいきます。
 悩みや憎しみや不快などのマイナス感情は、それを否定すればするほど、どんどん膨らんでいくのです。
 悩んでいる自分を否定するのではなく「ああ、自分には『教師を続けられないのではないか』という不安や自信のない気持ちがあるんだな」と、まず、認めること。
 そして、それをただただそのまま認め、眺めるような姿勢でいるのです。
 これができるようになり「ダメ教師としての自分」も、自分の一部として認めることができるようになると、そうした否定的な気持ちそのものが小さくなっていきます。
 重要なことは、何が出てきても、ただただそのまま認め、眺めるという姿勢です。
 実際に、悩みと上手につきあえるようになると、それまでのクヨクヨした心の重さが消えていき、生きることがだいぶ楽になっていくはずです。
 私のカウンセリング室に来られる人に「あなたは、どうなりたいですか」と尋ねると、多くの人は「悩みのない人生を送りたい」と言います。
 しかし、悩みがまったくない人など一人もいません。
 カウンセラーである私は、相談にくる人を「悩みがまったくない人」にしようとは思っていません。
 むしろ「悩みと上手につきあう方法を学んでもらう」お手伝いをしています。
 自分の悩みとの関わり方は、つぎのように3つあります。
(1)
感情を押し殺してしまう方法
 自分の悩みを自分から切り離して、自分の外に閉め出し、あたかも悩みなどないようにふるまう方法です。
「私は大丈夫、私は大丈夫・・・・・」と感情を押し込めていると、いずれ症状に出てきます。
(2)
いっぱい、いっぱいになって苦しんでいる状態
 悩みと自分が同一化してしまい、それにとりつかれてしまっている状態です。
「教師として、自分はやっていけないのではないか」という、いやな感じばかりが膨れあがり、やがてその悩みに覆い尽くされてしまう。
(3)
悩みを認めて、距離をとる
 自分の悩みを認め、それと同一化してしまうのではなく、外に追いやることもせずに、それを「認めていき」「距離をとる」方法です。
 悩み、うつ的な気分がある。そんな自分を否定するのではなく、そういう自分も、自分の一部だとそのまま認めていくのです。
「うつ」の人は考えすぎる傾向にあります。考えすぎると心のエネルギーは奪われていってしまいます。
 私は相談に来られた人に「どうやったら、考えすぎずにすむか、その工夫を一緒に考えていきましょうね」と言うことがよくあります。
 そして「悩みを認めて、距離をとる」方法を学んでいただくのです。
「私はダメな教師ではないか」とまじめな人ほど、ひたすら考えます。前向きな人であればあるほど、そこから脱出しようとして、もがき苦しみ続けます。
 しかし、それは不可能なので「やっぱりダメだ」となってしまう。脱出できるような悩みでしたら、うつにはなりません。
 どうしても自信がない。そうしたら、自信のなさやうつ的な気分をそのまま、認めていくしかないのです。
 認めて、しかしそれにどっぷりつからない。「自分の悩み苦しみと、一歩距離をおく」のです。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授。専門は臨床心理学、カウンセリング心理学。悩める教師を支える会代表。現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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