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教師が「辞めたい」という気持ちに追いつめられるものは何か

 教師の仕事の多忙化による疲労の蓄積に加え、子どもの問題行動の指導や、保護者からの苦情への対応で日常的なストレスにさらされた結果、「うつ状態」などに陥って病気休職となるケースが増加しています。
 実際、私の大学院で、長期派遣の現職教師236名を対象に学校現場での心の危機について、その原因を尋ねたところ、つぎのような結果になりました。(20092011年度)
1.
手に負えない子どもに振り回される   97
2.
職員間の共通理解や協力が得られず孤立 64
3.
保護者との人間関係 51
4.
管理職とのあつれき 43
5.
同僚とのトラブルやいじめ 33
6.
多忙     30
7.
他校への転任 14
8.
新任         10
9.
部活動の子ども・保護者とのあつれき 9
10.
望まない担任や分掌                9
 教師が仕事に対する無力感や無意味感、あるいは自己否定的になり「辞めたい」という思いに陥っていく背景には、何があるのでしょうか。つぎのようなことが考えられます。
 教師のパーソナリティ要因がある
 挫折や危機から抜け出すことを妨げる性格として
(1)
自己の信念や、やり方に固執して、柔軟性にかける
(2)
他者の期待に応えようとする
(3)
仕事が競争的で、目的達成志向が強く、他者に対して批判的、攻撃的になりやすい 
 自分は教師に向いていないのではないかという揺らぎ
(1)
子どもの指導や保護者対応などに対する自信の低下
(2)
教職適性感の低下
 職場の要因
(1)
仕事の多忙感
(2)
管理職との共通理解の不足や意見の対立による葛藤
(3)
同僚教師が協力的でない
 教師に「辞めたい」という気持ちを抱かせるものは、教師個人の性格というよりも、むしろ自分は教師に向いていないのではないかという揺らぎや職場の要因から生じるものが多いように見受けられます。
( 新井 肇:1951年生まれ、埼玉県公立高校教師を経て、兵庫教育大学教授。カウンセリング心理学を基盤とした生徒指導実践の理論化、教師のストレスとメンタルサポート等を研究)


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