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子どもの成績に保護者から苦情を言われたとき、どう対応すればよいか

 わが子の成績に敏感な保護者がいます。成績評価の基準があいまいだと保護者は納得しません。
 なかには、前年度や前担任と比較して成績が下がったと訴えてくる保護者もいます。
 日頃から評価規準について学年や学校で十分検討し、統一しておきます。
 さらに、個別の成績について、根拠となる資料を用意し、いつでも明確に示せるようにしておきます。
 保護者はわが子に期待を寄せるあまり、わが子の現状をきちんと把握できていなかったり、子どもの課題を受け入れられなかったりします。
 成績の評価が低いと過剰に反応し、教師の指導内容や子どもへの評価に対して不満や不信感を抱くようになり、教師への苦情となって表れます。
「わが子をよく見てほしい」「目をかけてほしい」という保護者の気持ちをくみ取りつつ、成績評価の資料を用意し、子どものよさと課題を伝えます。
1 よくない対応
 教師の成績評価の規準や根拠があいまいなため、保護者に明確な説明ができません。
 保護者はもっと話したいのにも関わらず、教師は自分の評価の正当性を訴えたいがために、保護者の話をよく聞かずに、子どもの課題ばかりを伝えがちです。
2 望ましい対応
(1)
保護者の話を十分に聞き、思いを受けとめる
 保護者のわが子に対する期待や、成績に対する不満点、教師に期待する指導などを十分に聞き、受け止める姿勢を示します。
 同時に、子どものよいところを具体的なエピソードを交えて話し、教師に対する保護者の不満や不信感を少しでも軽減させます。
(2)
成績評価の基準と子どもの課題を伝える
 指導法や評価基準について、日頃から学年や学校で十分に話し合って統一し、いつでも明確に説明できるようにしておきます。
 そのうえで、子どものテスト結果などの資料をもとに、評価の理由と子どもの課題をしっかり伝えます。例えば、
「テストの点数とノートや提出物の内容で評価しています」
「ノートが適切にまとめられているか、自分の考えが書かれているかも評価しています」
「〇〇さんは、自分の考えをまとめるところに苦手があるようです」
(3)
今後の対応と協力方法について話し合う
 子どもの力をさらに伸ばしていきたいという教師の思いを伝えます。
 今後の指導方法を示し、保護者との連携を要請し、家庭でもできる具体的な手立てを提案します。例えば
「〇〇さんは、読む力はありますので、読み取ったことを、自分の考えとして文章にまとめることができるようになると、さらに力を伸ばすことができると思います」
「ご家庭でも、新聞や本を読んで、感想を話し合っていただけると幸いです」
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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