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子ども同士のトラブルがあったとき、どう保護者に対応すればよいか

 保護者対応でたいへんなのが、子ども同士のトラブル対応である。子どもも保護者も納得できるような解決になるよう綿密に検討してから対応する必要がある。
 まず、保護者から相談を受けたら、すぐに動くことだ。24時間以内に回答できるようにすることが大事である。
 すぐに対応してくれることに、保護者が教師に対して信頼感を持つからである。たとえ、解決にいたらなくても、経過を報告するようにしたい。
 一番重要なのが事実確認である。
 まずは、加害者に気づかれないように、被害を受けている子どもから話を聞く。
 次に、加害者の子どもの話を聞く。複数いる場合は、口裏を合わさせないように一人ずつ聞く。
 必要に応じて目撃している子どもがいれば話を聞いておく。
 加害者の子どもが認めない場合、その言い分を聞く。食い違いは、どちらかのうそか、感じ方の違い、勘違いであることが多い。
 いずれにしても、被害を受けている子どもがそう感じているので、そう誤解するような言動はなかったかを聞く。
 加害者の子どもが認めれば、対面させて、被害者子どもがどう思っていたのか、ひどいことをしていたかを分からせ、謝罪させ、もうやらないことを約束させる。
 管理職や生徒指導主任、学年主任に報告し、どのように対応したかを伝え、保護者にどう連絡したらよいかを相談する。
 程度が軽ければ電話でもいいが、できれば、すぐにそれぞれの子どもの家庭訪問をするとよい。顔を見て話すことで、保護者は落ち着くし、何よりも信頼感が増す。
 程度が深刻であれば、保護者と子どもに学校に集まってもらい、一連の出来事のてんまつを知らせる必要がある。
 その際には、教頭にも入ってもらうとよい。集まる人数が多い場合、生徒指導主任、学年主任にも入ってもらうと、なおいいだろう。
 管理職が出てくることで、きちんと対応してもらっているという印象を与えるからだ。
話す内容は、
(1)
出来事の顛末を知らせる。一応の解決を見たことを伝える。
(2)
被害者の子どもには、これからも気をつけて様子を見ていくことを伝える。
(3)
加害者の子どもには、何かしらのストレスや問題を抱かえているのだろうから、ただ単に叱るだけでなく、生活の様子をよく観察していってほしいことを伝える。
 もちろん、学校でも叱るだけでなく、その子の感情を尊重しながら対応していくことを話しておく。
(4)
きちんとした形で被害者とその保護者に謝罪をしてもらい、そのことが加害者側の子どもにとって大切なことだ、ということをその保護者に伝える。
 加害者の子どもが親の頭を下げる姿を見て、事の重大さを認識させるためである。
 保護者へは、学校がどのように対応してきたかということと、保護者お互いの言い分をそのまま伝えてよい。へたに隠すとあとで面倒なことになる。
 被害者、加害者のメンツをつぶさないようにするためには、これ以上言い合っても仕方がいなことや、保護者がまず歩み寄る姿勢を、子どもたちの見本として見せてほしいことを伝える。
 保護者同士が言い争うような事態は、子どもたちの今後にとって最も悪い結末であることも話すとよい。
 また、継続して話を聞いて解決に向かわせることを学校側からの今後の対策して伝えることも重要である。
 対応後も日頃の子どもの表情や行動をよく観察し、定期的に両方の子どもから話を聞くようにする。
 また、何もなくても保護者に定期的に連絡した方がよい。保護者はその後の経過を心配しているので、今の様子を話すことで安心するものである。
(佐々木 潤:1962年、宮城県生まれ、宮城県石巻市立公立小学校教師。授業づくりネットワーク・東北青年塾スタッフ。お笑い教師同盟・東北支部長。笑えて,知的な社会科授業を目指して実践研究、講演などを精力的に行っている。「一番受けたい授業」(朝日新聞社編)で全国76人の「はなまる先生」の一人に選ばれる
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