教師を中傷し、あらぬ噂を流す保護者がいて困るとき、どうすればよいか
学校のある地域を素通りする通勤が大多数を占めていることもあって、先生の姿が町では見えにくくなっている。
それだけに、先生についての話が保護者の間で一人歩きしたり、曲げて伝えられたりすることがある。
ほんの少しだけ垣間見た先生の言動、子どもの口から知った先生の学校での様子、そんなところから「話」が始まるのは怖いことである。
それだけに、ふだんの子どもへの接し方には十分に気をつけた方がよい。
もちろん、私生活についてもである。
1 中傷のねたになりそうなもの
例えば、中傷のねたになりそうなもの、注意することを挙げてみると
(1)子どもの指導について
ひいきの子をつくる。公平な目で見ない。乱暴な言葉遣い。怒るときの言葉が汚い。授業がへた。間違ったことを教える。誤字脱字が多い。話が脱線する。
(2)ふだんの生活について
整理整頓が悪く、だらしない。服装が派手、汚い。金銭にルーズ。遊びが好きで教材研究はどうなっていると疑われる。男女の関係。飲酒のトラブル。
これらのことが、例え本当のことでなくても、尾びれがついて、広がっていく。用心、用心。
2 教師を中傷し、あらぬ噂を流す保護者
何といっても被害者は教師である。「火の無い所に煙は立たぬ」とは言うものの、本当に気分が悪くなるものである。
教師を中傷し、あらぬ噂を流すような保護者とは、例えば、
(1)井戸端会議のネタにして面白がる保護者
笑い話として教師をこきおろすことに楽しさを求める。
(2)わが子の担任を取り替えてほしいと考えている保護者
たまにあることだ。校長や教育委員会に乗り込む場合もあり、本気で事にあたる。
(3)わが子がかわいがられていない、差別されているなどと思い込んでいる保護者
不満やうらみをはらすことと、賛同する仲間を増やし、教師にプレッシャーをかける。
教師を中傷し、あらぬ噂を流された場合、多少なりとも身に覚えのある点については、直すようにする。
「人の噂も75日」と構えて、いつもの通りに生活する心を持つことも大切である。
教師の本分である「子どもの教育に誠心誠意ことに当たる」ことをしていれば、あらぬ話は消えていくと信じてがんばっていくしかないだろう。
(佐藤信彦:元宮城教育大学附属小学校教頭・宮城県公立中学校長・仙台市立中学校校長)
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