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自分らしさを発揮でき、一人では考えつかなかった答えにたどり着く、対話のある授業は、どうすればできるか

 私の授業の最大の特徴は「対話・話し合いのある授業」だということです。
 授業の初めに「今日は、話し合いをします」と言うと、子どもたちは「ヤッター」と一斉に歓声を上げます。
 ある子が話し合いについて、つぎのように作文に書いています。
「話し合いが好きになりました。自分らしさを発揮できるからです。教室の中で、そんなことができるとは思っていませんでした」
「クラスのみんなで考え、考え合う。そして、一人では考えつかなかった答えにたどり着く。その瞬間が特に好きです」
 それに、じっと座って先生の話を聞くのではなく、お互いが、自分らしさを発揮し合える学び、が楽しいのでしょう。
 話し合いでは、答えが分裂するようなテーマを用意します。大きくわけて、次の2種類があります。
(1)
正解のないテーマ
 例えば「奈良の大仏は、もっと小さくてもよかった」といった、正解のない、話し合ってお互いが納得しあうテーマです。
(2)
正解のあるテーマ
「筆者のいちばん言いたい段落はどこか」といった、正解のあるテーマです。
 白熱した話し合いを生み出すために、次のような流れで話し合いをさせます。
(1)
テーマを理解させる
(2)
立場を決めさせる
(3)
理由を箇条書きで書かせる
(4)
同じ立場の者同士で話し合いをさせる
(5)
違う立場の者同士で話し合いをさせる
(6)
振り返りを行う
 話し合いの授業のスタイルは、次の4つがあります。
(1)
ペア学習
「よりよい話し方」や「聞き方」という対話の基本を指導し、実際に対話を体験させます。
 繰り返すことで、友だちとの人間関係もより良いものになっていきます。
(2)
グループ学習
 グループで協力することの良さを体験します。
 協力することの良さを実感した子どもたちは、話し合いにきちんと参加し、すすんで自分の考えを表現しようとします。
(3)
ディベート学習
 言い始めた人が立証する責任をもち、質問と反論をして判定します。各持ち時間は1分程度である。
 不満だけを言っていればよかった子どもの日常の生活から、一線を画した話し合いの世界が展開される。
 競い合いのある話し合いの中で、教えてもらったり、気付かせてもらったりします。
(4)
自由対話
 考え続ける楽しさやすばらしさを実感できるようにします。友だちの様々な考えに触れることにより、より良いものを考え続ける力が育っていきます。
 話し合うためには技術的なことももちろん必要ですが、友だちとの関係性が良くなっていくことが何よりも大切です。
 様々な機会で「ほめ合っている」「心が通じている」「相手の気持ちが想像できるようになっている」という土台があってこそ、安心して自分の意見を人前で堂々と言うことができるのです。
 何のために話し合うのか、どのような話し合いが望ましいのかということを、体験をとおして日常的に学んでいくのです。
 ただ意見を言えば良いのではありません。学級全員が一人残らず参加者となり、お互いの良さを引き出し合い、新しい考えや納得した意見を導き出し合うような話し合いができることが目標です。
(
菊池省三:1959年生まれ、 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞
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