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若いとき多くの挫折を経験したが、うまくいく人といかない人がなぜいるのだろうか 

 稲盛和夫は、若いときに大学受験失敗、就職試験も失敗と、ことごとくうまくいかず、多くの挫折や苦労を経験しました。
 大学を卒業後、松風工業というつぶれかけた会社にようやく入社することができた。
 セラミックの研究に寝食を忘れて打ち込み、新しい材料の開発に成功することによって、挫折続きの人生に終止符を打ち、新しい人生の扉を開いてくれたのです。
 独立して京セラという会社をつくり、燃えるような情熱を持ち、先頭に立って身を粉にして働きました。
 同時に、私心を無くし自らの人格を高め、社員から信頼されるように努力しました。
 社員たちも、苦労を苦労とも思わず、夢中になって働き通しました。そんな仕事への打ち込みが素晴らしい人格を育んでくれました。
 前向きに必死に働いたことで、今日の自分があることに気づき、世のため人のために一生懸命に働くことの大切さを痛感した。
 このようなことから、私のような平凡な人間が、人生を生きていくには何が必要なのかと考えた。
 また、人間には人生や仕事でうまくいく人といかない人がなぜいるのだろうといった疑問があった。
 考えだした結論は「考え方」「熱意」「能力」の要素が影響するということであった。
 頭脳が優秀であっても、才能を過信して努力を怠り熱意が少ないとすばらしい結果は得られません。
 稲森は三つの要素の中で「考え方」がもっとも大切であると思っています。
 苦労をいやがらず、みんなのために一生懸命に生きていく考え方は人生や仕事によい結果をもたらす。
 人をねたみ世の中をすねるマイナスの考え方はお金をもっていても、みじめな結果になってしまうと。
 ささやかなことに喜びや感動を感じる心を持ち、その感動から懸命に生きるエネルギーをもらう。
 悪いことをしたら素直に反省し、明日からやり直そうという反省のある日々を送れば人生において心を高めていくことができるのです。
 稲森の、人生や仕事に実りをもたらしてくれる考えかたは、つぎのように、つねに前向きである。
(1)
協調性がある。
(2)
肯定的で明るい。
(3)
善意に満ちている。
(4)
優しく思いやりがある。
 他人の悲しみを自分のことにように嘆き、励ましてあげる。さらには他人への憎しみや怒りを抑え、優しい思いやりの心で接する
(5)
素直で謙虚で努力家である。
 成功を収めても、謙虚さを忘れず、足ることを知り、すべてのことに感謝し続けること。一方、不運にであっても、それを素直に受け入れ、前向きな生き方を続けること。
(6)
利己的でなく、利他的である。
 こころのなかに利己的な自分だけがよければいいという気持ちを抱けば、その抱いたようなことが周囲にあらわれるし、逆に美しい思いやりに満ちた心、利他の心を抱けば、やはり周囲にそういうものがあらわれると思っています。
 善きことを思い、善きことを行えば人生はいい方向へ変わるし、悪いことを思い、悪いことを行えば、悪い結果が生じる。人生とはそういうものだと考えています。
(7)
感謝の心をもっている。
といった考え方である。
(
稲盛和夫:1932年生まれ、実業家。京セラ・KDDI創業者、稲盛財団理事長として国際賞「京都賞」を創設し人類社会の進歩発展に功績のあった人を顕彰、日本航空を再建し取締役名誉会長、若い経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長)


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