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部活動中に足を骨折した子どもの保護者から、タクシー代金を請求され「誠意を見せろ」と言われました、どう対応すればよいのでしょうか

 部活動中に足を骨折した子の保護者から、病院から自宅に帰るために使ったタクシー代金を請求され、3000円支払いました。
「登下校もタクシーが必要だな」「子どもも親も辛い思いをした」「誠意をみせろ」
と、きつい口調で言われました。どうすればよいのでしょうか。
 学校管理下の事故に対しては日本スポーツセンターの災害共済給付制度が適応され、ケガの場合は、医療費給付金が支払われます。
 医療費給付金は総医療費の1割増しとなります。これは通院費等を考慮したものです。ですから、タクシー代金の支払いは出所のない出費ということになります。
 骨折事故に施設の安全性を欠く状態や、指導上に事故予見性があり、回避する可能性があったにもかかわらず防止を怠った場合があったなら、損害賠償の請求をすべきです。
 それをしないで「誠意を見せろ」というのは、治療費・交通費・慰謝料・休業補償を暗に要求しているのかも知れません。
 そうであれば、理不尽なクレーマーと言われてもやむを得ないでしょう。
 このようなクレーマーには、次のようなクレーム対応の基本に従って長期戦覚悟で臨んでください。
1 一人で対応しないこと。
2 面接の原則は
(1)
あらかじめ会う人を決めておく。
(2)
場所は学校を基本に
(3)
時間は常識的に1時間程度
 この「人・場・時」を崩されると防戦一方にならざるを得ないことがあります。
3 細かな記録をとる。
 保護者の言葉等、なるべく忠実に再現しておくことが大切です。
 同席した同僚の位置等の位置関係も図示しておくとよいでしょう。
4 相手の気持ちは受容しても、事実には安易に同調しないこと。
 例えば「〇〇さんを不憫に思われているんですね」「怒りをぶつけたいお気持ちでしょう」など
5 理不尽な苦情・要求にはきっぱりと断ること。
 ケガをした子どものことを第一に考え、学校と保護者とは誠意をもって対応することが大事です。
 学校と保護者とがいがみあっていたのでは、中に入った子どもが気の毒です。
(
嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都立中学校教師、教育研究所指導主事、中学校長、日本学校教育相談学会会長等を経て神田外語大学教授
)

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