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授業力を上げるにはどうすればよいか

 有名教師の動画や本から学び、そのとおりやってもうまくいきません。
 有名教師は人一倍努力して積み上げた考え方や技術の長い蓄積があります。安易なものまねでは通用しません。どうすればよいのでしょうか。
 結論を言えば、即効薬はありません。
 地道な努力をかさね、あなたのよさを生かす授業づくりに取り組むことが大切です。そうすれば授業力がついていきます。そのためには
(1)多くの授業をみる
 他の教師の授業を参観したりして多くの授業を観るとよい。他校の研究授業では高いレベルの授業を参観することができます。
 そのとき観察するポイントは、授業の流れを細かくチェックし、子どもの様子を観察し「自分だったらどうするか」と考えてみることです。
(2)授業をみてもらい、助言を素直に受けとめる
 自分の授業を同僚教師に観察してもらい、きたんのない意見をきかせてもらうようにします。自分では「クセ」や、気づかないことを知る機会になります。
 そのとき、謙虚に耳をかたむけると授業の指導力が向上していきます。素直さは、飛躍の第一歩と言えます。
(3)授業公開して子どもや保護者、地域の人から評価してもらう
 授業を公開して、保護者、地域の人から授業の感想や意見も役立ちます。
 子どもからの評価も随時受けるようにします。具体的な指摘は、次回の授業から改善できるようにすると、子どもからの評価意欲が高まります。
(4)本や雑誌から学ぶ
 教育書の中には、先輩教師が長年かけて蓄積してきたノウハウがぎっしり詰まっています。
 実践本は参考となる考え方や技術、経験などが書かれています。ぜひとも活用してください。
(5)幅広く学ぶ
 授業方法だけを学んだのでは、十分とはいえません。幅広く学ぶ中に、思わぬ収穫があります。雑学精神をお忘れなく。
(6)楽しい授業の意味を取り間違えない
 子どものご機嫌取り優先で、ジョークを連発したり、授業規律に目をつむるような授業を続けていたら、やがて子どもたちに飽きられます。
 子どもが楽しみに待つ授業は、子どもが好き勝手なことをやって、面白おかしく進行するものではないということです。
「新たな発見をした」「知らなかったことを教えてもらえた」など、学びの本当の楽しさを伝えることが教師の役割です。
(嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都立中学校教師、教育研究所指導主事、中学校長、日本学校教育相談学会会長等を経て神田外語大学教授)

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