4月の始め頃は学級担任を試すような発言がある、どのように学級づくりをすればよいか
子どもたちは4月始め頃に、学級担任を試すような発言が多い。
「この担任は、どこまで自分たちの要求に応えるか」を試していると言っても過言ではない。
なんとなくあいまいにしたり、あまり考えずに子どもたちの要求を取り入れたりすると、エスカレートしたりして、後々、クラス運営で困ることがよくある。
それは、教師不信や学級崩壊などにもつながっていく。
担任は、子どもの要求に対して「正しいか」「一部の子どもだけの意見になっていないか」「後になって困ることにつながらないか」を見極める必要がある。
子どもに担任の姿勢をはっきりと示していくことが重要となる。
もし、子どもの要求を取り入れない判断したときは「取り入れない理由」を、はっきりと子どもたちが納得するよう語る必要がある。
このことが、これから1年間、担任を信頼するかどうかを大きく左右する。
子どもたちに説明するときに重要なことは
「すべての子どもに公平なものかどうか」
「子どもをよい方向に伸ばすことにつながるか」
という点を考えるべきである。
しっかりと子どもたちに伝えていくことで「この先生は、自分たちの勝手な思いに乗せられない」と、子どもたちは気づくことになる。
けじめのある学級づくりにもつながるのだ。
担任に自分の要求を突きつけてくる子どもは、よきにつけ悪しきにつけ、クラス運営に重要な役割を果たす子どもである。
「子どもの要求」を受け入れない場合は、クラスづくりのために、しておかなければならないことは、意見を言ってくれた子どもを、ほめてあげることである。
「クラスのことを考えて意見を言ってくれたことは、先生はすばらしいことだと思うよ」
「これからも、みんなのことを考えて意見を出してください」
と言って、他の子どもたたちの「クラスづくり」に参加する意識を高めるとともに、意見を出した子どもに恥をかかせないようにするとよい。
担任としてぶれてはいけないことは「クラスのみんなのことを考える」という視点である。
「クラスのみんなが安心して、学習や生活していくこと」視点からすべての物事を考えていくと、だいたいの判断はつく。
(成瀬 仁:公立小学校教師。オーストラリア公立小学校での勤務経験がある。また、幼稚園の経験もあり、多彩な教職経験がある)
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