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人間は信頼されれば応えようとするものです 

 人間は信頼されれば、それに応えようとするものです。
 信頼してだまされるならば、それでも本望だというくらいの気持ちに徹したい。
 
 私は今日まで、いろいろな人とともに仕事をし、さまざまな方々とご縁をもってきました。
 しみじみと感じるのは、やはり人間というものは、大きくみればすばらしいもので、信頼すれば、必ずそれに応えてくれるものだということです。
 また、信頼し合うことによってお互いの生活に物心両面の利がもたらされ、人間関係もよりスムーズになるということです。

 私は、できるかぎり従業員を信頼し、思い切って仕事をまかせるようにしてきました。
 すると、おおむね期待以上の成果をあげてくれたように思うのです。

 そのような体験を幾度となく重ねる中で人間が信頼しあうことの大切さを身にしみて感じるようになったのです。
 もし、ともに働いてくれている人に不信感をもっていたら、どのようになっていたでしょうか。
 きっと、私自身、精神的にも苦痛であったでしょうし、いろいろ仕事の面で非能率な姿が生まれてきたのではないでしょうか。

 確かに人間の心には、愛憎の念とかさまざまな欲望があります。
 ですから、そういったものにとらわれて他人をみれば、自分の持っているものを奪おうとしているのではないか。
 あるいは自分の立場をそこなおうとしているのではないかという疑いの気持ちも起こってくるかもしれません。
 しかし、そうした不信感から生まれてくるのは、不幸で非能率で、悲惨な姿以外の何ものでもないという気がするのです。

 大切なのは、やはりまず信頼するということ。
 信頼することによって、だまされるとか、それで損をするということも、ときにはあるかもれません。
 かりにそういうことがあったとしても、信頼してだまされるのならば自分としてはそれでも本望だ、というぐらいに徹底できれば案外、人はだまされないものだと思います。
 自分を信じてくれる人をだますということは、人間の良心がそうは許さないのでしょう。

「人間というものは信頼に価するもの」と、そう言ってよいのではないかと思うのです。
(
松下幸之助:18941989年 パナソニック創業者、経営の神様と呼ばれ、日本を代表する経営者)

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