保護者が担任に電話で教育委員会に連絡すると言ったとき、どう対応し、また防ぐにはどうすればよいか
学校で何かあったり、教師の指導に不満を感じたりしたときに、教育委員会に連絡しますと口にする保護者が増えています。
そのようなときは、担任はあわててしまいがちです。あわてず対処し、担任として直接会って話をうかがいたいと伝えるなど、ていねいな対応に心がけます。
保護者からの訴えに、担任1人では解決できない内容だと考えたら、1人で悩まず、学年主任や管理職に相談することが大切です。
保護者がどのようなことに納得していないのか、担任に話しづらいことがあったのかなど、保護者から聞き取った話の内容を管理職に伝えます。
具体的に、どうすればよいのでしょうか。
1 担任としての対応のまずさをまずおわびする。
保護者から厳しい言葉をあびせられるかもしれません。
まず、保護者の不安な気持ちをじゅうぶんに聞き、わびるところは素直にわび、保護者の気持ちを受けとめる姿勢を示し、不安を少しでも軽減させることが求められます。
2 話し合いの場をもうけ、子どもへの対応方法を確認する。
直接面会して、保護者が担任や学校に望む対応を確認し、お互いの認識の差をうめることが大切です。例えば
「学校にお越しいただき、ありがとうございます。私の対応に不備がありましたことをおわびいたします」
「今日は、私の指導についてお話し、担任として改めるべきことをご指摘いただきたいと思います」
3 確実に対応することを伝え、信頼関係の構築を図る
保護者はわが子が毎日、元気に学校に通うことが喜びです。
担任は確認した指導内容をきちんと保ちつつ、過度な指導にならないように注意します。
保護者に連絡帳でこまめに子どもの様子を伝えたり、保護者に学校参観を促したりするなど、指導の様子を発信する努力が必要です。
子どもの学校での様子を見てもらうだけで、保護者の理解を得られることがあります。
保護者会で担任が自己開示することも、保護者が担任に相談しやすい関係をつくることにつながります。
なぜ、保護者は教育委員会に訴えると考えるようになるのでしょうか。
保護者は当初、すぐに対応してもらえると考え、担任に問題の改善を訴えます。
しかし、担任が期待したような努力をしてくれない、問題の重大さを認識していないと感じると、学校への不信感が急速に高まります。
担任に訴えても無駄で、解決するには、教育委員会に訴える以外のないのではないかと考えてしまいます。
保護者から教育委員会に連絡すると言われた時、よくない対応は
「ちょっと待ってください。私もがんばって、努力しているではないですか」
といった、あいまいな返事をくり返し、保護者のせっぱつまった思いに添って対応できないことなどが考えられます。
(齊藤 勝:東京都公立小学校教師)
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