学級づくりは4,5月の教師と子どもの関係づくりがポイント
現代の子どもたちは、教師が指示や指導をしても、従順に受け入れようとする傾向が著しく低下しました。
最初は、静かに教師の指示に従っていたとしても、徐々にそのような傾向がなくなり、反発や不服従的な行動や態度が見られるようになってきます。
学級づくりは「教師と子どもたち一人ひとりとの二者関係の形成」がスタートです。
対人関係の持ち方に、独特の傾向をもつ現代の子どもたちには、教師からの適切な働きかけが不可欠なのです。
現代の子どもたちは、教師との人間関係を、友だち関係の延長線上、私的な二者関係のレベルから捉える傾向があります。
したがって、学級の中での子どもたちの行動の傾向は、教師に対しても向けられるのです。
教師と子どもたち一人ひとりとの親和的な二者関係が形成されていない中で、教師と児童という役割関係を前面に出しすぎると、子どもたちは抵抗感を持ってしまうのです。
学級集団づくりの第一歩が、教師と一人ひとりの子どもとの二者関係づくりです。この関係づくりがうまくいくと、子どもたちは精神的にも安定し、子ども同士の関係づくりも促進されるのです。
二者関係は新学級で出会ったはじめの2か月がとても重要です。の仕方は次のようにします。
4,5月の段階で、子どもたちに教師の人間的魅力を感じてもらえるかが、キーになります。それがうまくいくと、子どもたちは自ら教師に心を開いてくるのです。
教師の人間的魅力とは、教師に対する親近感や、先生は自分を受け入れてくれるという受容感があります。
同じようなもので、教師といると楽しい気分になれるという明朗生もあります。
さらに、教師に対する好意や信頼感、ある種のあこがれなどもあります。
そして、教師の専門性にもとづく教え方のうまさ、熱意などの熟練性も含まれます。
小学生はこれらの教師の人間的魅力を、混ざり合って感じるのです。
そして教師の人間的魅力にひかれ、教師との二者関係の形成を望み、関係が形づくられていくのです。
したがって、どんなに教育技術の高い教師でも、親しみや受容感、楽しさがないと、現代の子どもたちはその教師の教え方がうまいとは感じないので、注意が必要です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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