新任教師でもうまくいく授業づくりの基本とは
授業は学力形成の場であると同時に、友だち関係や規律を学ぶ場であると意識しましょう。
授業には、忍耐力、協調性、集中力、勇気といった人として大切な力の形成に関わっています。
授業が教師力の本丸です。
子どもにとって、学校生活の約7割の時間が授業です。
授業の楽しさは、子どもが「分かった」「できた」「がんばった」という、自信を得ることです。
良い授業には「子どもに考えさせ、苦労させ、解決させる」というところがあります。
勉強が大好きという子どもは、そういるものではありません。
授業のとりかかりは気分が乗らなくても、子どもが夢中になる授業であれば、子どもは自分から進んで学習に取り組むようになっていきます。
そして、知らず知らずのうちに「勉強は自分でやるもの。能動的にやるから楽しい」と、感覚的に覚えていきます。それは自律の基礎を育んでいるのです。
若い教師には、子どもたちが話を聞いてくれない悩みがあります。
教師の話し方に原因があるかもしれません。
「間」のない話し方は、子どもたちは飽きやすく、頭の回転をストップさせます。
「ここは聞いてほしいな!」と思う部分の前に「間」(5秒以上)を取ってみてください。
子どもは「次は何を話すのだろう」と思わず身を乗り出すくらい「間」を取ってみてください。
授業の際、自分の話し方を録音してみましょう。再生してみると、大きな改善点が見つかります。
子どもが間違いを恐れない、上手な教師の聞き方だと、子どもたちは活発に発言します。
大発見は、すべてたくさんの失敗から生まれています。間違いや失敗があるからこそ、人は成長するのです。
教室は間違うところ、たくさん間違えると賢くなる、ということを教えてあげましょう。
教師はやさしい表情で、子どもが「発表してよかった」と思えるように受け止めてあげましょう。
授業は何と言っても、開始5分間が重要です。子どもが学習する姿勢になれば、その後の学習もスムーズになります。
チャイムと同時に授業を始めます。教師が待たないと分かると、子どもも早く準備をするようになります。
それは自分が困るからです。待っている子どもからの不満もなくなります。
授業の始めに行う「オープニングテスト」が有効です。前時の復習テストをするのです。
授業の最後の5分間は「ノートまとめ」が効果的です。自分の言葉で、絵や図を用いてまとめさせるのです。
学習したことが整理でき、自分の学習を振り返ることができます。
板書は、学びの足跡になります。
授業終了時に黒板を見て「こんな勉強をしたんだなあ」と、子ども自身が振り返ることができるよう、黒板1枚で板書案を具体的に考えて日々の授業に取り組んでみましょう。
黒板に書く内容は、教科書のまとめなど「ノートに写させる事柄」と、話し合いの際に出された意見や理由といった「ノートに写さなくてもよい事柄」に分かれます。
写す、写さないは、授業のルールとして4月中に決めておきましょう。
板書の文字の大きさは小学校低学年は10cm、中学年は8cm、高学年は6cmの大きさで書くといいとされています。
チョークの色は、白や黄色はよく見え、この2色を中心に板書案を考えましょう。
発言力をつけさせるために、教師の発問について、自分の考えをノートに書かせます。書けた人は発表するようにします。
こうすると、どの子も無理なく発表することができます。
授業に緊張感がなければ子どもたちはだれます。
いつ、当てられるか分からない空気は、子どもたちの気持ちを引き締めます。
例えば「この意見に賛成ですか? 反対ですか? この列、起立して答えなさい」というだけでも、緊張感を与えることになります。
始めから終わりまで、目一杯緊張した状態で行うのは、子どもたちにとっても、教師にとっても、しんどいものがあります。
そんなときは、ユーモアを加えて小さな笑いを入れると、楽しく集中できます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教師。「子どもが安心して活動できる学級づくり」の研究に取り組む。「中嶋郁雄の『叱り方』&『学校法律』研究会」を設立し活動)
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