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子どもの問題行動の支援を進めようとするときに、大切なこととは何か

 子どもの問題行動には、子ども特有の心理や事情があり、家族の抱かえる課題や友人関係などの影響が加わることで、問題の背景は複雑になり、対応に困難さを増していきます。
 子どもの問題行動の初期の支援に立ったとき、どのような視点からとらえたら良いのでしょうか?
 現れている子どもの問題行動は、子どもなりに解決しようとした手段であり「なぜこの行動が必要だったのか」という視点が大切です。
 善悪の物差しだけで判断することなく、視点の転換を柔軟に行うことによって、問題の意味するところや、誰に対する訴えなのか、がみえてくることがあり、それが解決につながることがあります。
 子どもの問題行動が起きたときには、
(1)事実関係を確認する
(2)子ども本人および周囲の関係者からの聴き取りにより問題の背景を把握する
(3)背景を踏まえた指導と支援の方針を決定する
 非行臨床では、この子はどんな子なのか、どうしてこんな行動を繰り返すのか、家庭の状況はどうか、友人関係はどうか、など複数の観点から問題を統合的に理解しようとするものです。
 そして、見立てによる理解に基づいて、具体的な指導や支援を行っていくことになります。
 このようなときこそ、子どもと関わる専門家として、腕の見せどころになります。
 しかし、残念なことに、これまでの自らの経験だけで判断したり、情報不足のまま先入観によって対応してしまうことがあります。
 このような対応には、大きなリスクが伴うことに注意が必要です。
 保護者の協力が得られないまま、子どもの指導を続ける状況では、解決の道はほど遠いと言えます。
 問題を改善するためには、保護者と力を合わせて連携することが必須となります。
 保護者と連携するときに大切なことは、保護者が子育てに対する不安、いら立ちや怒り、後悔や自責、被害者意識などを感じているときは、その内容を具体的に確認していくことです。
 そして、保護者のこれまでの苦労をねぎらい、子育てに対する不安や戸惑いの感情を受けとめることが、支援のはじまりとなります。
 保護者と一緒に悩みながら対応していくことが大切で、その積み重ねにより、相互の信頼関係が生まれて連携がスムーズに進んでいきます。
 このような連携のプロセスの中で、保護者のそれまでのしつけを修正していくことが問題の解決に結びついたりします。
 また、指導の難しい子どもに対して、保護者との話し合いを重ねることで教師とのつながりが強まったりします。
 保護者を通じて教師の意向が伝わったりすることで、子どもが変化する場合があります。
 子どもの問題行動の初期の支援では、保護者と連携した共同作業による問題への取り組みを、ぜひ心がけていただきたいと思います。
(石橋昭良:文教大学教授、元警視庁少年育成課副参事(心理職)、臨床心理士)

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