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2019年5月に作成された記事

子どもたちの(スポーツ等での)心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか

(1)子どもたちの心づくりを成功させるためには「心を使う」(目標設定、イメージの原則)
私は、オリンピックの金メダリストたちの分析で、心の大切さを知った。
「どれだけ強烈に自分は勝つと思っているか」
最後は、その心の強さで決まる。勝つ秘訣は「心づくり」です。
心を使うとは「書く」ということです。
目標設定用紙に書いて、目標を立て、達成のための方策、予想される問題点、解決策などを考え書く。
本当にハッキリするまで書くということです。
(2)心を強くする(できることの継続と特例禁止)
登山家の講演会でヒントをもらった「継続」です。
毎日、自分が決めた家のお手伝いを三年間つづけさせます。そして、教師に報告します。
(3)心を整理する(過去の中の後悔、未来への不安の解消)
自分ではどうすることもできない未来のことや過去の後悔などに、心が縛られて萎縮してしまうことがある。
いまの楽しさだけを求めてしまうこともある。
そういう心のマイナス要素を整理して、気持ちを未来に持っていくこと。
そのために役立つのが日誌です。日誌に、その日の反省、明日やるべきこと、自分の決意などを書きます。
私は子どもたちの日誌を読んで、必ずコメントを書いていきます。そうすることで、その子の持っているエネルギーを前に押し出すための後押しができるのです。
(4)心をきれいにする(感謝の心。奉仕活動。清掃活動。エコ活動)
感謝の気持ち、謙虚な心を養うことです。
スポーツで優勝しても天狗になっては意味がありません。自分の力だけで勝ったという傲慢で利己的な発想を排除すべきものなのです。
「ありがというございます」「おかげさまです」の心を育てるために、子どもたちに清掃活動(大会会場の清掃)や奉仕活動をさせています。
(5)心を広くする(生き方ノウハウの提供、自利即利他の原則)
強い選手、日本一になれる選手ほど、嫌がることなく真剣に仲間をサポートします。決して利己的な態度、言動はとりません。
そういう精神を持っている子どもこそ、自立型人間と呼ぶにふさわしいと思います。謙虚であるということです。
 そして、次の四つの方法で実践しています。
 それぞれ「プラン、ドゥ、シー、ショウ」に落とし込んでいきます。
 プラン・・・・目標を決め、計画を立てる
 ドゥ・・・・・・実行する
 シー・・・・・・検証する
 ショウ・・・・公表、共有する
(原田隆史:1960年生まれ 20年間大阪市公立中学校教師、教師塾主宰を経て原田教育研究所社長。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

 

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教師の心の病には「うつ病」がある、具体的な症状と治療法とは

 心の病で思い浮かべるのは「うつ病」ではないでしょうか。
 心の風邪と呼ばれたこともあり、うつ病患者は年間100万人以上で、診断を受けていない人を含めると500万人以上が罹患していると推定されています。
 うつ病の一番特徴的な症状は、気分の落ち込みです。数日、時には数時間や数十分単位で変化します。
「体が疲れやすく、運動もできない、する気が起きない」「テレビもうるさくて見たくない」
といった状態になります。
 特に、朝の気分が優れず、夕方以降は少し改善することがあります。
「うつ病の人を励ましてはいけない」ということはよく知られています。無理に気分転換を図ったり、活動をしたりすることで具合が良くなるものではありません。
 取るべき対応は通常とはまったく異なる場合があるので、注意が必要です。
 まれに、気分の落ち込みが目立たない「仮面うつ病」と呼ばれるうつ病もあります。
 この場合の症状は「食欲が落ちて体重が減った」「だるい」「疲れやすい」など、身体の症状が中心となります。
 また、最近は「非定型うつ病」と呼ばれるうつ病があります。過眠・過食などの症状が見られ、夕方から夜にかけて気分が滅入る人が多くなります。
 対人関係に過度に敏感になり、周囲を責めるような言動が見られたり、好きなこと楽しいことに関心がもてたりと、従来のうつ病と異なる特徴が見られます。
 一方、「体が鉛のように重い」「イライラ感があまりに強く仕事が手につかない」などの症状が出るため、仕事への支障は小さくありません。
 その他に、「躁うつ病」があります。過度に気分が高揚して活動性が高い「躁状態」と、「うつ状態」をくり返す病気です。最近では「双極性障害」と呼ばれることが多い。
 うつ病は、過労やストレスがきっかけとなって発症するのが一般的です。
 何か「原因」を探したくなるものですが、明らかでない場合もあるのです。
 うつ病の主な症状は
(1)気分の落ち込み
 悲しい気持ち、希望を持てない気持ちが、常につきまといます。何をしていてもつらく、重症化すると仕事や生活にも支障を来たします。
(2)興味と喜びの喪失
 何をやっても楽しめず、むなしさがぬぐい去れなくなります。好きだった趣味もする気が起こりません。
(3)活力の減退
 活力が落ち、疲れやすく、活発に動けなくなります。何をするにもおっくうで、ちょっとしたことにも、取りかかる時間がかかってしまいます。
(4)思考力・集中力・注意力の低下
 本や新聞などの活字が読めなくなったり、人の話が頭に入らなくなったりします。受け答えが遅くなり、ちょっとしたことでも判断や決断が下せず、迷うことが増えます。
(5)自責感
 自分を責めやすくなります。自分が悪いと考えるようになります。
(6)体調の変化
 頭痛や腰痛などの体の痛みなど、さまざまな身体症状が現れます。そのため、当初は精神疾患だと気づかず、内科などを受診する人もいます。
 また、睡眠障害が起き「寝つけない」「熟睡できない」などが、しばしば起こります。
 このほか、重大な症状として「死にたい気持ち」があります。病気のなり始めと、ある程度よくなってきた回復期に多い。今は病気であることを繰り返し伝え、死なないでほしいと約束を交わすことが大切です。
 うつ病になりやすい性格として、次の(1)(2)の性格の人があげられます。
 つぎのような性格の人が必ずうつ病になるわけでも、それ以外の人たちが絶対ならないわけでもありません。
 ただし、うつ病になった人がこうした性格に当てはまる場合、落ち着いた頃に、自分の性格や思考パターンを見つめ直してみると、その後の再発防止に役立つと考えられます。
(1)真面目で几帳面
 何事も適当に済ませられず、徹底的にやり抜こうとするため、知らず知らずのうちに、自分を追い込んでしまいがちです。また、思った通りにいかないときに、大きなストレスを抱かえてしまいます。
 教師は真面目で几帳面な人が多いので注意が必要です。
(2)協調性が高い
「他人に合わせようとする」「周囲との摩擦を避ける」なども、うつ病になりやすいタイプとされています。
 他人への過剰な気づかいから自分の気持ちを抑え過ぎていたり、トラブルが発生した際に、過度に自分を責め、必要以上に責任を感じたりしやすいのです。
 頼まれ事をされた際に断れないことも少なくありません。
 うつ病の代表的な治療法は
 治療が始まってからも、病状には波があり、良くなったり、悪くなったりをくり返しながら改善していくのが一般的です。焦らずその時々の状態に合わせた療養に努めていただきたい。
(1)薬物療法
 うつ病の治療で中心となるのは薬物療法です。
 うつ病では、モノアミンと呼ばれる神経伝達物質が減少していると考えられます。
 この働きを高めるのが、抗うつ剤です。効果が現れ始めるまでに約2週間以上が必要で時間がかかりますが、比較的高い確率で改善が見られます。
 飲み始めの頃は、吐き気や胃の痛み、その後も眠気や便秘などの副作用が出る場合があります。
(2)電気けいれん療法
 頭に電極をつけて電流を流し、人為的にてんかん発作を起こす治療法です。抗うつ剤が無効な場合や、飲食ができず衰弱する危険性、自殺の危険が切迫している場合など症状の重い場合に実施されることが多い。
(3)精神療法
 ストレスを受けた際の考え方を見直し、バランスの取れた思考や行動を実践できるようになることを目的とした療法です。
(真金薫子:東京都教職員互助会三楽病院精神科部長、東京都教職員総合健康センター長、東京医科歯科大学臨床教授)

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教師は、どのようにして授業を改善すればよいのでしょうか

 授業の課題を見つけることが授業改善の第一歩です。課題が見つかったからといって、すぐに授業が改善されるわけではありません。
 どうすれば改善できるかがわからなければ何ともしようがありません。
 例えば、子どもを「ほめることが少ない」という課題で悩んでいる教師がいました。
 子どもをほめているつもりなのですが、一向に改善されません。どうしたらいいのか、お手上げの状態でした。
 具体的な改善策がなければ、かえって悩むばかりになるのです。
 その教師に話をうかがってみると、子どもが正解したらほめるようにしているということでした。正解した子ども、できる子どもしかほめられないのです。
 子どもたちをほめる観点を増やして、どの子どももほめる機会をつくることを意識すれば、よくなるはずです。
 気づいてしまえば当たり前のことでも、自分一人で悩んでいると、気づけないこともよくあるのです。
 自分で考えることも必要ですが、時には同僚や先輩に相談することも大切です。
 日頃から、授業に関して気軽に話せる関係をつくる必要があります。
 本を参考にすることも有効ですが、これだというものに出会えないこともあります。
 教師一人ひとりの個性も違えば、子どもたちの様子も違います。
 絶対的な正解などないのですから、あれこれ考えてばかりいても、授業は改善されません。
 大切なことは、まず何かを変えてみることです。
 子どもたちが変化することを期待して授業を変えるのですから、当然、子どもたちの様子が気になるはずです。
 今まで以上に子どもたちをよく見るようになります。
 子どもたちの、ちょっとした変化に気づくようになれば、授業改善につながる新たなヒントも見つかります。
 たとえ、ちょっとした改善でも、日々積み重なっていけば、大きな改善につながります。自信を持って継続していけばよいのです。
 改善策をただ実行するだけでなく、その方法で子どもたちの姿がなぜ変わるのかも理解することで、子どもたちの変化を待つ余裕ができます。
 問題は、よい変化が見られなかった場合です。
 結果がでないと、ダメだったとすぐに止めてしまう教師がいますが、ちょっと待ってほしいのです。
 少し授業を変えたからといって、すぐに結果が出ることは稀です。子どもも教師も変化にとまどって、すぐに結果がでない対応できないことがよくあります。
 結論を焦らずに実行し続けることも大切です。
(大西貞憲:1955年生まれ、愛知県公立中学・高校教師を経て教育コンサルタント)

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プロ中のプロ教師になる道とは何か、どのように進めばよいのでしょうか

 全てにおいてプロとしての技量を持っているんだけど、特に高い評価を得ている方、それがプロ中のプロなのです。
 対談した先生方は、個性的で傑出した力を持つ次の3人です。
1 八巻寛治
 ソーシャルスキルやグループエンカウンターの第一人者と言われる、仙台の八巻寛治さんです。
 今回、特に強く受けた印象は「乗り越える」というイメージでした。
「思春期をきちんと乗り越える」ということです。例えば、
「私は、子どもがすっと変わる瞬間というのが楽しかったんですね」
「子どもたちは、いろんな反応を示します。シグナルで伝えているはずなんです。そこをぜひ、心配してほしいんです。心配し過ぎるくらいに心配してほしいし、確かめてほしい」
「もし、違っていたら『ごめん、違っていたんだね』でいいんです」
 私は確かに、子どもたちに乗り越えさせずに終わっていることって、多いなあと思いました。
 穏やかに話す八巻さんですが、熱い人なのだということも、確かめることができました。熱い思いを優しい言葉で包んでいるんだなぁと思うところがありました。
 八巻さんのスキルはたくさんある。それは自分の生活経験から出てくるのです。
2 中村健一
 お笑いとネタで、全国の若い先生たちを勇気づけている信念の教師の山口の中村健一さんです。
 話を通じて強く感じたのは「最前線で戦う部隊長」ということでした。厳しいところで体を張って教育しているからこその言葉が、たくさん飛び出してきたように思います。例えば
「なんぼ、授業が上手で、ポリシーがあっても、目の前の子どもが変わらないと意味がない」
「子どもや保護者にそっぽ向かれたら、教育って成り立たない。その一方で、それだけになびいてもダメだなと思うんだ」
「理屈ばっかり言って、子どもを動かせない。それって、はっきり言ってプロじゃない」
「僕らは、目の前の子どもを変えるのが全てだ。できるようにする、それが楽しいんだ」
「俺が楽しいのは、子どもが楽しいからであって、子どもが楽しくないと、俺も楽しくない」
「人のやっていることを、その通りやったら、絶対にうまくいかないよ。空気読みながらやらないと」
「勉強になるのは、子ども。目の前の子どもが全てだから。子どもから学ぶ」
 若い先生たちの力になりたいという思いが強い。目の前で多くの教師仲間がぼろぼろになっていく姿に、怒りまで感じているのでしょうね。
3 山田洋一
 子どもとの関係づくりと授業づくりで次々とメッセージを発信する札幌の山田洋一さんです。
 山田さんの言葉の使い方は的確で、明晰さと学問がちらちらと顔を見せるのです。相当な勉強が山田さんのバックにあることを感じさせられました。例えば、
「うまくいったというのは、うまくいくための前提条件が膨大にあるはずなんですよ」
「この仕事に無駄なんて一切ないんだと思うんだ。無駄と思うことも、無駄じゃなくなってくるんだ。積み重ねたおかげて、できるようになるんだ」
 砂をかむような苦しい思いを通り越して、今の山田さんがある、これは本物ですね。
「自分のダメさを認めることのできた教師」が、プロとして一流に向かっていくんだろうなあと思いました。
 3人に共通して感じることは、今行っていることに自信を持っているということです。
 それは、自分の学級なら絶対に大丈夫だ、というような傲慢な自信ではありません。この3人の先生方からは、傲慢さは全く感じられませんでした。
「このやり方ならば、子どもたちは、こうなってきた」
という成果に基づいた自信なのですね。
 それから、楽しそうだということです。
 求道者のような教育実践家ではなくて、自分が楽しいことをしているという感覚が伝わってきます。
 これは実は、プロとしては、とても大事なことなのですね。
 楽しんでいるということは、子どもに対して
「私は、こんなにがんばって、してやっているんだぞ」
といった気負いや傲慢さがないということです。
「楽しませて、もらっています」
というような感覚があるのです。
 これは、長続きしていく、元となるのですね。
 そして、よく勉強しているということです。
 それぞれの学んでいるところは違いますが、だからこそ、おもしろいのです。
 学びながらも、自分の道を確実に歩んでいるということです。
 つぎの3点が共通点のように思えました。
「自信と信念」
「楽しさ」
「自分の学び」
 これから、プロ中のプロを目指される先生方に、ぜひこのあたりのことを大切に考えていってほしいと思いました。 
(多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演)

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「お誕生日会」で、1年間の思い出となる、楽しい学級づくり

 3月になって、子どもたちに1年間の思い出を聞けば、決まって一番に「お誕生日会」をあげるのです。
 お誕生日会の「小さいころのインタビュー」こそは、確実に自分が主人公であり、注目の的になれたからでしょうか。
 「小さいころのインタビュー」で、自分の小さい時のことを聞きます。照れくさそうに耳をふさぎながら聞く子どももいます。
 でも本当は、みんなが自分に注目してくれている、このときが一番うれしいのです。
 それと、お誕生日会の「班の出しもの」が1年間の思い出になるのです。
1 小さいころのインタビュー
 インタビューは、小学校低学年なら家庭訪問のときに、前もって聞くことをお知らせしておいて、担任が録音します。
 中学年以上になれば、そのつど、お家の都合を聞いて、班の友だちなどがインタビューに行きます。複雑な家庭事情がある場合は、担任が何とかします。
 次に、「小さいころのインタビュー」の例をあげます。
 お誕生日の子どもが教室の前にすわり、録音された自分の小さい時のことを聞きます。
子ども「今から〇〇くんのおばちゃんにインタビューします。〇〇くんが生まれた時の体重は何kgでしたか?」
母親「3900kgでした」
子ども「生まれたときの身長は何cmでしたか?」
母親「53cmでした」
子ども「小さい時に、大きな病気やけがをしませんでしたか?」
母親「1歳のときに、ひきつけをおこして、救急車で運ばれて、死ぬかと心配したことがありました」
子ども「どのようにして崇広という名前にしたのですか」
母親「おじいちゃんと、お父さんの名前から1字ずつもらって、人の役に立つ心の広い人になってほしいと思ってつけました」
子ども「クラスの友だちや先生に何か一言どうぞ」
母親「みんな、担任の先生の言われることをよく聞いて、仲良く助け合いながら、しっかり勉強してください」
母親「崇広はちょっと気が弱いので、みなさんから声をかけてくださいね」
母親「先生には、お世話になりますが、よろしくお願いします」
子ども「インタビューにこたえてくれて、ありがとうございました」
母親「ご苦労さまでした」
2 子どもたちを親密にする「班のだしもの」
 お誕生日会では、班で力を合わせて「班のだしもの」を創りあげます。
 例えば、紙人形劇、劇、紙芝居、合奏、歌、クイズ、手品、漫才などです。
 何とかまとめようと班長が苦労します。班長が最も成長する場面でもあります。
 練習期間は2週間ほどです。学級活動や道徳、雨で体育ができなかった時などを使います。
 練習中ももめますが、もめた班ほど、成功したときの喜びは大きいものです。
 お誕生日会は、適当な人数ごとに、2カ月とか3カ月に実施します。
 1回経験すると、必要な仕事やスケジュール、フログラムなど話し合う中身がわかるので、自分たちで話し合いをすすめることができるようになります。
 お誕生日会のグッズ、例えば、画用紙を6枚貼り合わせた、大きなバースデーケーキ、一人ひとりの名前を書いたローソク(裏に磁石を貼る)、プレゼントするバースディカードなどは、分担して子どもたちがつくります。
 お誕生日会のたびに班の出しものをする機会ができるので、内容が文化的にも高まっていきます。
 今までのクラスの子どもたちの親密さは、お誕生日会のたびに班の出しもので積み重ねられてでてきた親密さだったと思います。
 その親密さが、子どもたちにとって心地よく、楽しくて、一年間の一番の思い出になったのでしょう。
(野口美代子:1946年兵庫県生まれ、元兵庫県尼崎市立小学校教師・全国生活指導研究会全国委員)

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保護者との信頼関係は、子どもの家に「足」を運び、家庭訪問することで築け

 保護者に顔を合わせて伝えるのと、文章や音声だけで伝えるのとでは、同じメッセージでも、受け手側のイメージが大きく異なることがあります。
 トラブルの報告や生徒指導上の必要な事柄は、保護者の顔を見て伝えることで、後の大きな労力を削減することになります。保護者と「顔を合わせる」ことが大切なのです。 
 保護者には誠実さを示すことが教師への信頼を高めます。
 大きなトラブルが生じた時の家庭訪問は、当然です。そうしなければ、保護者の気分を害することになります。
 反対に、ほんの些細と思われることで家庭訪問をすると、保護者は「そんなことで? ありがたい!」と、教師への信頼を高めます。
 家庭訪問し、足を運ぶことはおっくうに感じるかもしれませんが「この30分間の労力が、後のトラブルへ発展することを回避する」と考えて、機会を見つけて家庭訪問をするように心がけましょう。
 大きなトラブル以外での家庭訪問は、保護者と顔を合わせて世間話をする感覚で、気軽に行うことが基本です。
 子どもが病気やケガなどで欠席した時、近所の子どもやきょうだいに連絡帳を預けたり、電話でメッセージを伝えたりするのが一般的な対応です。
 しかし、子どもが欠席した時こそ、家庭訪問のチャンスです。
 保護者と直接、出会って話をするための理由ができます。
 何よりも、子どもを思う誠実さが保護者に伝わり、信頼関係を築く機会になります。
 他の教師がやらないことこそ、効果も大きくなります。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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教師が気をつけること、教師が力をつけるために、大事なこととは何んでしょうか

 私の場合は、教師以外の方との付き合いの中から多くを学ばせてもらったような気がします。
 もちろん、先輩教師にも素晴らしい方はたくさんいましたし、教師の中からも学んできました。
 けれども、自分の知らない世界で学んできた方からの学びというものは、学校の中で、いくら逆立ちしても及びもつかないことです。
 教師以外の方から学ぶことの素晴らしさを私は体験することができたのです。
 私たち教師の毎日は、子どもが相手なんですね。教室に行けば、王様です。程度の低い相手としか付き合わない日々なんです。
 そうして10年、20年、30年とたった時に、その人々がどうなるかは、火を見るより明らかです。うっかりすると、自分を下げ続けていくしかないんですから。
 下の者とばかり付き合っているから、いつの間にか程度が低くなりがちです。
 私たち教師は、少なくとも自分より上の人と努めて付き合う日々とすべきです。
 今の自分よりも、もっと高い自分になるためのチャンスを作ることが大切です。
 師を持つことが大切です。自分の及ばない高さの力をお持ちの方と接するということは、自分を向上させていく、大きな目標になるし、力にもなるのです。
 いつも、自分の及び難い上の人と付き合っていれば、ずっと伸び続けることができるんです。
 私は、苦しいことや辛いことを皆さんに伝えているのではありません。
 レベルの高い人と付き合うということは、じつは、素晴らしく楽しいことなんです。
 それは、富士山の5合目までしか登ったことのなかった人が、6合目に上がれば新たに6合目の景色を見られるということだからです。
 「良き師」「良き友」「良き書物」、これが人生を充実させる三つの糧だと言われます。
 良き友というのは、自分よりレベルの高い友であることが望ましいです。
 良き師はむろんのこと。良き書物も同じです。
 一級の人物は、必ず一級の師匠を持っている。
 高杉晋作、山形有朋、伊藤博文らを育てた吉田松陰が松下村塾を開いたのは、2年半くらいでしょう。
 一人の偉大な人物の感化や影響というのは、決して時間じゃないのですね。どんな質で出会うか、ということです。
 人生は一回一回の出会いが、非常に大切なんですよ。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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授業中、子どもの飽きを緩和するためには、どのようにすればよいか

 授業中、あくび、手悪さなど、子どもの「飽き」を感じることはありませんか?
 そんな時に力を発揮するネタをお教えしましょう。子どもたちはリフレッシュし、授業に再び集中します。
1 合言葉
 お決まりの合い言葉をみんなで言います。すると、子どもたちは元気になり、授業に集中できます。
(1)合い言葉を決めておき、教師が途中まで言ったら、子どもたちが続きを言う。
 例えば、
 教師「やる気がある子は」、子ども「背中ピシッ」
 教師「準備ができたら」、子ども「手はおひざ」
 教師「教室は」、子ども「間違うところです」
 教師「できなくても」、子ども「がんばる姿が美しい」
 ちょっと笑わせて緊張をほぐしたい時は、ボケを入れるとよい。
 教師「〇〇先生」、子ども「最高です」
 教師「西南戦争」、子ども「西郷です」
2 3分間の雑談タイム
 学習をバンバン進めたい時は、説明中心のつまらない授業になりがちです。
 それでも、授業中に3分間の雑談タイムを設ければ、子どもたちはがんばれます。
 教師は「もし、みんなががんばったなら、授業中に3分間だけ自由な時間をあげます。この時間は、席を立って誰とおしゃべりをしてもよいです」と言う。
 授業中、教師は子どもたちが飽きてきたと感じたら、3分間の雑談タイムを取る。子どもたちは笑顔で立ち歩き、おしゃべりをしてリフレッシュする。
 どんなにつまらない授業でも、子どもたちは、この時間を楽しみにがんばることができる。
3 教師の質問に、子どもたちが声をそろえて「そーですね」と答える
 先生の質問にクラス全員が「そーですね」と答えます。
 声をそろえて言うことで、クラスに一体感が生まれます。
 また、子どもの声が大きくなります。
 そして、授業にテンポが出て、子どもが飽きにくくなります。
 授業中、クラスみんなで一斉に声を出す機会を増やしましょう。
(1)教師が「今日は、いい天気ですね」と天気に関する質問をする。これがスタートの合図。
 子どもたちは「そーですね」とクラス全員で声をそろえて答える。
(2)続いて、教師は「割り算は難しいですね」などの質問をくり返す。
 子どもたちは、その度に「そーですね」と答える。
(3)いくつか質問をした後、
 教師が「鼻の長い動物は」と聞く。勘のいい子どもが「ゾウですね」と答え、笑いが起きる。
 教師「10を別の言い方で」、子ども「とうですね」
 教師「ジャンケンでチョキに勝つのは?」、子ども「グーですね」
 教師「頭の中にあるのは」、子ども「脳ですね」
 教師「英語で2は?」、子ども「ツーですね」
 など、くだらないやりとりが楽しい。
(中村健一編:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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授業の最初に子どもたちをしっかりツカむには、どのようにすればよいか

「先生と勝負」という形にすると、子どもたちは乗ってくる。繰り返しやっても、子どもたちは飽きない。
 漫才的な私の授業は、最初が命。最初に子どもたちをツカんで、勢いだけで授業をやりきる必要があるからだ。
 授業の最初に号令をかけ、準備の確認をする。
 その後、私は何も言わないで、黒板に日付と学習するページ書く。
 そして、すぐに「書けた人?」と聞く。
 書き終わっている子は、得意げに手を挙げる。
 そこで、私はとっても悔しげに
「えっ? もう書けたの? 速すぎ! 負けた! 悔しい~!」と言う。
 できるだけオーバーに言う。黒板をたたきながら、泣く真似をすることもある。
 すると、先生に勝った子どもたちは、大喜びだ。
 子どもをほめる時のコツは「驚くこと」である。驚くとわざとらしくならない。子どもも大いに喜ぶ。
 ほめることが苦手な若手教師は
「えっ? もう書けたの? 速すぎ!」と言って、まずは驚いてみよう。子どもたちが大喜びするのが実感できると思う。
 さらに、学習の「めあて」を書く。
 私は「今度こそ、負けないぞ」と言って書き始める。子どもたちは先生に負けまいと素速く書く。
 これは、さすがに教師より先に書ける子どもはいない。そこで「めあて」を赤線で囲む時に、多少の手加減をする。
 私が赤線を引いている内に「書けた!」と声がする。私が赤線を引き終わって子どもたちの方を見ると、クラスの半分くらいの子が得意げに手を挙げて待っている。
「えっ? もう? 先生もがんばったのにな、悔しい~」とオーバーに言うと、子どもたちは喜ぶ。さらに
「きみたちは、速すぎだからね。今書き終わった人だって、中学生レベルだよ。書けた人?」と言う。
 子どもたちは得意げに手を挙げる。さらに、もう一度「書けた人?」と聞き、
「ここまで、合格。〇年生として、十分な速さだよ」とほめる。クラス全員なら、拍手もする。
 学習の「めあて」を書かせた後は、声だしをさせて、子どもたちをさらに元気にする。
「速くかけても、正しく書けてないと意味ないからね。自分が書いた『めあて』を確認しながら、ゆっくり読みます。はい」
 私の「はい」の後に続けて、子どもたちはゆっくりと「めあて」を読む。
「次は、素早く声を揃えて言うよ。『180度をこえる角の大きさを工夫して測ろう』はい」
 さらに、もう一度、今度は素速く声を揃えて「めあて」を読む。
「先生と勝負」学習の「めあて」の一斉音読、これを毎時間繰り返して行う。
 これだけのことだが、授業の最初に子どもたちをしっかりツカむことができる。
 さらに、授業の最初に「誰でも答えられる質問」で全員を巻き込むようにしている。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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教師はいかに学びあい、授業力をつけていけばよいのでしょうか

 私は職員室で時間を見つけては、子どものようすや授業について語り合うようにしています。
 これはと思う教材も紹介する。そして、話しただけでは具体的にわからないので、自分の授業を見てもらうようにしています。
 私は、教師になってしばらくは、全国の優れた授業実践を本や雑誌などで学びました。民間などのいろいろな研究会にも参加しました。
 私の若いころから職場では、「子どもから学ぶ」ことが大事だといわれてきました。しかし、私自身「子どもから学ぶ」ということがよくわかりませんでした。
 実際には、目の前の「子どもの姿をもとに授業を創る」重要さがわかり始めたころから、授業が変わってきたように思います。
 自分の身近にある生の素材から授業を創る体験が、授業力アップにつながります。
 教師は、困難に直面しているときはすごくつらいですが、その事態を深く見つめ続けていくと、ある時期、光が見え始め、そうするとまったく違う対応ができるようになるんです。
 私も荒れた6年生を担任していた時期は、子どもたちが朝会などで話を聴かなくて、それは大変でした。
 ところが、子どものようすを見ていると、聴かなくなるのはきまってつまらない話をしているときなんです。いい話をするときは、そんな子どもたちもちゃんと聴いている。
 小学校の高学年になると、話の質をすぐ見抜くんですね。
 それ以来、「6年生なのに」と思っていたことを「6年生だから」ととらえ直しました。
 そのときに、はじめて彼らの内面が見えてきたんです。おしゃべりも、なぜおしゃべりが起きるのかを深く考えてみる必要があります。
 現代の子どもは、人間関係に非常に不安を感じていて、疎外されたり関係を断ち切られたりすることが、教師に叱られる以上につらいことなんです。
 おしゃべりが「友だちとつながっていたい」という気持ちの表れだととらえ直すと、対処法が変わってきます。
 おしゃべりそのものを叱ってもだめで、教室に安心できる人間関係をつくっていかなければ、根本的な解決にはなりません。
 私は、子どもから学んでいけば、もっと楽に実践できると思います。
 まず、子どもの声を聴く。ある程度子どもに任せる。
 子どもが押してきたら、押し返すのではなく、むしろ押されて少しバックしてみる。
 そういうふうに、キャリアを積んだ年代の教師であればこそ、子どもの姿からつくっていく実践にもう一度チャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。
(今泉 博:1949年北海道生まれ、東京都公立小学校教師、北海道教育大副学長(釧路校担当)を経て松本大学教授。「学びをつくる会」などの活動を通して創造的な授業の研究・実践を広く行う) 

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学校の仕事で一番大事なことは何か、授業の真髄とは何か

 NHKの「ようこそ先輩」や民間放送の「世界一受けたい授業」という番組を見た人も多いと思います。
 教員免許がない人だって、素晴らしい授業をします。
 ああいうところで授業をする人たちは、端的に言うと「サービス精神がある」から良い授業ができるのです。
 ふだんから「お客さん(市場)に鍛えられている」からです。
 たとえば、一流デザイナーと呼ばれる人たちが母校に帰って授業をする。
 一流デザイナーとしての力量は誰が認めるのでしょうか。お客さんが「この人のデザインが良い」「あの人より、この人が良い」と支持してくれるからでしょう。
 だから、教師は授業で、聴いてくれるお客さん(生徒)に理解してもらおうと考えるから、良い授業ができるのです。
 やっぱり授業で大事なことは、まず聴いてもらうこと。
 どんなに立派なことを話しても、聴き手が聴いてくれなければ、話にならない。
 聴き手が聴いてくれないと言うならば、興味深く聴けないということだから、話し手は反省しなければならない。
 基本的には、教えるほうの自分で、子どもの反応を受け止めて、話を進めなければなりません。
 先ほど、この講演の冒頭で、みなさんに学校の仕事で一番大事なことは何だと思いますか、と尋ねました。
 そうしたら、ほとんどの教師が「授業」と言ってくれたので安心し、素晴らしいと思いました。
 学校で一番大事な仕事は授業です。
 学校は授業が基本であり、すべてである、ということをしっかり胸に刻んでいる点が、素晴らしいと思います。
 良い授業とは何でしょうか。むろん自分で良い授業と思っていてもダメです。
 子どもたち学習者に「良い授業」「素晴らしい授業」と評価される授業が「良い授業」なのです。
 自分では良い授業だと思っているが、子どもはそのように思っていない。こういうミスマッチも、学習者の意見が反映しない教師本位に問題があるのです。
 ダメな教師の授業は子どもが相手にしないから、授業が成り立たないで学級崩壊するのは、昔も今も変わらないことがよくわかります。
 大多数の良い教師や、しっかりした教師の授業は、ふつうに粛々として行われていることは昔も今も変わりはありません。
 学ぶ学習者から率直な意見を聴取するのも、ひとつの方法ですし、同僚の教師の授業を見せてもらい参考にするなど、あらゆる方法で、日々、授業の改善工夫をこらす以外に道はないのです。
 それで給料をもらっているのだから、当然のことです。これが教師の仕事のいちばんキモのところです。
(戸田忠雄:1937年生まれ、長野県の私立、公立学校の教師、公立高校長、信学会長野予備学校長などを歴任し、政策研究大学院大学政策研究科客員教授。XYサタデースクールネットワーク代表。専門は教育政策・学校論など。政府の審議会専門委員も務めた)

 

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5月の連休を過ぎるころから、生徒は気のゆるみが見えはじめます、どうすればよいのでしょうか

 5月の連休を過ぎるころから、気のゆるみが見えはじめます。
 生徒は子どもです。放っておくと、けじめのないクラスになります。
 そこで、けじめのある明るさを教師が導いていくのです。教師は「笑い」と「まじめ」を表現する顔を自分で訓練しましょう。
 例えば、おもしろいことを話す中に、教訓めいた話が入るとします。教訓のときは、むずかしい顔をする。その後、破顔一笑するといった具合にです。
 目で笑ってても、ひきしまった顔をする。「百面相」という言葉がありますが、教育的「百面相」も努力次第でできます。
 体での表現もそうです。生徒と、うちとけてワアワア遊んでいても、心まで遊んでしまわない。しかし、生徒から見たら、心から「のぼせ」ているように動き回れる教師になることです。
 私は寄席が好きで、テレビで観ます。落語家のあの表情は、すぐに役立ちます。庶民的な雰囲気の中に、けじめの表情の大切さを教えてくれます。
 生徒に対して、親しさと指導のけじめを、教師がもつことです。
 例えば「人づて行動」がよいと思います。
 人づてに聞いたときには、面と向かって、教師から聞くよりもうれしいものです。
 先生が自分たちのことを陰で、そんなに「心配している」のか、あるいは「ほめている」のか、と知るときほど、生徒が真に受けとめられるものはないでしょう。
 さりげなく行われたら、なおのことです。
 教師は、その生徒をどうにかしようと思うから「叱る」のです。誤ちをしたりした時は、毅然と叱ることが大切です。
 「可愛くば、2つ叱って、3つほめ、5つ教えて、よい子にはせよ」という歌があります。
 今回は許そうと思うこともあろうが、やはり一度は叱ることが必要です。叱ったときには反抗的態度をとることもありましょうが、やはり叱るべきです。
 厳しく叱った後、場の雰囲気では、他の教師による説得が効果があります。「生徒指導は夫婦の呼吸」でといわれます。叱る教師もいけば、救う教師も必要です。
 叱るコツの5か条を次に示します。
(1)許すこと、許さないことを明らかに
(2)大勢の中で個人を叱るな(教師と生徒、一対一で叱ると生徒は素直です)
(3)熱い言葉で叱れ(厳しく、本気で)
(4)追いつめて叱るな(逃げ道を残して、古傷までえぐるな)
「生徒の気のゆるみ」は、やはり教師がつくっているのです。「教師の気のゆるみ」といってもよいでしょう。
 初心にかえること、4月の開幕の時期の緊張感を思い出してほしいものです。
(陣川桂三:1939年生まれ、福岡市立中学校教師、福岡教育大学附属中学校教師、福岡市教育委員会指導主事、中学校長、福岡市教育委員会部長、福岡大学教授を経て退職)

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学級崩壊予防の生命線は保護者、保護者と関係を良好に保つことが重要です

 保護者は決して教師の敵ではありません。子どもの成長のために協力し合うべきパートナーです。
 特に、低学年の子どもへの学習習慣に関する指導は、保護者の協力なしには効果があがりません。
 また、高学年の子どもへの指導は、たとえ、子どもとの関係がうまくいってなかったとしても、保護者からの信頼を得ていれば、思い切った指導をすることも可能になります。
「子どもを伸ばすためにがんばります」「子どもを伸ばすために、ご協力が必要です」と、日頃から保護者につたえるようにしましょう。
 保護者の教師への理解度によって、子どもに対する指導だけでなく、学級づくりにおいても、効果が大きく異なります。
 学級経営の最強のパートナーを得るために、保護者との関係を良好に保つことが重要です。
 子どもに厳しく指導した場合「なぜ、厳しくする必要があるか」「どのような考え方で指導しているのか」を、保護者に理解してもらわないと、不信感を与え、トラブルに発展する危険性があります。
 日常の授業や子どもへの指導を、教師自身どのような思いで行っているのかを、保護者に伝えることが重要です。
 保護者は、教師の考えを理解することができれば、教師の指導に納得してくれます。
 考えを理解してもらうためには、学級通信や保護者会、連絡帳へのコメントなど、あらゆる機会を利用して、具体的なエピソードを取り上げながら伝えるように努めなくてはなりません。
 学校の苦情を申し立てる保護者に対して「自分勝手だ」「他の子どものことも考えるべき」などと思ってしまうこともあるでしょう。
 しかし、わが子が痛い目にあえば、自分の身を切るような思いをするのが保護者というものです。
 わが子を思う保護者の気持ちを考えれば、常識はずれの行動も理解できないわけではありません。
「自分勝手」と考える前に、保護者の気持ちに寄り添う努力が必要です。そこから、教師と保護者との信頼関係がスタートします。
 活動的な子どもが集まる学校は、トラブルの火薬庫です。ほんの些細な一つのトラブルが、大きな問題に発展することは、日常茶飯事です。
 大きな問題が起きないようにするためには、些細なトラブルでも「大きな問題の火種」ととらえて、全力で対応し、解決することが重要です。
 保護者に事実が正確に伝わらなかったり、誤解を与えたりすると、大きなトラブルに発展しかねません。
 例えば、子どものケンカやケガなどは「この程度なら」などと軽く考えてそのまま放っておくと、誤解や偏見を与えてしまうこともあります。
 初期対応の時点で、保護者に事情を説明して、理解を得ることは、それほど大きな労力を必要としません。
 むしろ、保護者は「そんな些細なことまで、申し訳ない」と、感謝さえしてくれます。
 初期対応での保護者への連絡は肝心、かなめです。
 どの保護者も、わが子が担任から目をかけられることを望んでいます。
 なんらかのトラブルが起きて、子どもを指導するような場合でも、その子のよさや、その子に対する期待を保護者に伝え、その子が「大好き」というメッセージを受け取ってもらえるように努めましょう。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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クラス経営がうまくいかないとき、どう聞けば適切なアドバイスがもらえるのでしょうか

 クラスが落ち着かなくなってきたので、ベテランの教師に、その原因をアドバイスしてもらうと「先生は優しすぎるんだよ」と言われました。
 そこで、次の日から、子どもたちに厳しく対応しました。ところが、かえって子どもたちは落ち着かなくなりました。
 どう聞けば、適切なアドバイスがもらえるのでしょうか。
 まず、このベテラン教師が「優しすぎるんだよ」と言ったアドバイスには、どのような前提があるのでしょうか。
 あなたの指導を見て言っているのでしょうか。それとも、ふだんのあなたの雰囲気から、そう判断したのでしょうか。
「優しすぎる」とは、どういうことなのでしょうか。
 厳しくしなければいけない場面で、そうしてないという意味なのでしょうか。
 それとも「なめられている」と指摘しているのでしょうか。
 アドバイスを聞いたとき、あなたの解釈は、どのようなものであったのでしょうか。
 例えば、どの場面で、どの程度、どんなふうに「厳しく」しようと考えたのでしょうか。
 このような前提について、無自覚であったり、状況に対して方法が合致していないと、せっかくのアドバイスも無意味になってしまいます。
 アドバイスをもらう際には、できるだけ具体的に状況を語りましょう。大事なことは
(1)5W1Hをはっきりさせて話すこと
 具体的場面に応じて語らないと、印象でアドバイスをもらい、誤った指導改善をしてしまうことになります。
(2)ふだんの指導の様子をしっかり伝える
 指導において重要なことは関係性です。子どもと教師との関係性によって、当然、指導方法は変わってきます。
(3)「私にできることには、何がありますか」と尋ねる
 ベテラン教師が使いこなせる教育技術と、あなたの教育技術は違うのです。
 アドバイスは状況に合致していることが大事です。適切なアドバイスを引き出し、それを生かすには、尋ね方が大切です。
((山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)

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子どもの心に届く言葉がけの極意とは

 私は書店で目に留まった本「『AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理』岩田修著、明治図書、1988年」に衝撃をうけました。その内容を簡単にまとめると、
 指示は直接的なものより、間接的なものがいいということです。
「先生の方をむいてください」と指導するよりも,「おへそをこっちにむけてください」と指導した方が効果的である。子どもたち,特に低学年の子どもたちを教師側に向けさせる,有名な指導言だ。
「大きな口をあけて歌いましょう」と指導するよりも,「熱いジャガイモをほおばるように口をあけて,声を出しましょう」全校合唱を指導する時に,こう指導すると,子どもたちの歌い方がガラッと変わった。これもまた有名な指導言だ。
「○班静かにしてください!」と指導するよりも,「△班の聞き方が素晴らしい。みんなにまねしてほしいな」と指導した方が効果的であること。
 これらの様々なパターンの「魔法の言葉」を明確に方向付け、価値付けをした第一人者が岩下修だ。岩下は,この「魔法の言葉」を「AさせたいならBと言え」と原則化し,多くの教師の指導言を変えていった。
 子どもへの指示は直接的なものより,間接的なものの方がよいということだ。子どもたちの心を「自主的にさせる」指示の開発こそが必要なのである。
 たとえば「忘れ物をしないようにしなさい」「進んで発言しなさい」と、いいたいことを直接いってもダメな場合が、圧倒的に多い。このようにいっても、子どもの行動は変わりません。
 いいたいことを直接いってもダメなのはどうしてか、まとめてみましょう。
 ダメなのは、「中身がわからない、必然性・必要性がない、何かの障害がある」からです。
 ではどうすればよいか。
(1)「イメージを持たせる」ことです
 中身がわからないというのは、具体的にイメージできないということです。
 たとえば、コーダーの指導をするとき、「もっときれいな音でふきなさい」と指示します。
 これではどうしていいかがわかりません。きれいな音とはどういう音なのか、イメージできていないからです。
 見本を見せればいいのです。イメージができます。聴かせればいいのです。まずは、きれいな音とはこういう音だということを教えなければいけません。そうすれば、きれいな音というのがイメージできます。
(2)子どもたちにとって「身近なものに例えて」指示をする
 きれいな音のイメージができても、それだけではダメです。どうやったらきれいな音が出せるかがわからないからです。たとえば、次のように指示します。
「シャボン玉を割らないように、そっとそっと少しずつふくらますようにふいてみよう」
 音がきれいになります。シャボン玉をふくとき、一氣に強くふく人はいませんね。そんなことをしたら、すぐに割れてしまいます。「すーっ」というようにそっとふきます。このふき方が、リコーダーのふき方と似ているのです。
 子どもたちが経験したことがあるもの、つまり、子どもたちにとって身近なものに例えると、子どもは変化します。
 私は「AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理」の本を何度も何度も読み返しました。
 その内、私の中でおぼろげながら見えていた、子どもたちの心に届く「言葉がけの原理・原則」らしきものが、確信に変わっていくのを感じたのでした。
 岩田修氏は、本の中で、理想とする教師の言葉がけの要素として、次のように述べています。
(1)その子の頭の中に入って、10秒,20秒と時間が経過しても、ゆれることなく同一の像として、そこにある物。
(2)クラス40人の子どもの、どの子の頭の中に入っても、同一の像として、そこにある物。
 この2つを「ゆれないモノ」と定義する。
 そして「AさせたいならBと言え」の言葉を作り出す(Bの言葉を探す)方略として
「ゆれないものの提示により、Bの言葉を作る」
 そして、その「ゆれないモノ」とは「物、人、場所、数、音、色」である。
 また、岩田修氏は、大変多くの事例をあげておられます。
 やがて、私は自分の日常生活の中で何気なく感じていたものまではっきりと「あ、今の言葉は『AさせたいならBと言え』だな」と気づくようになっていきました。
 優れた言葉がけというのは、世の中にはたくさんあふれているものです。
(西村健吾:1973年鳥取県生まれ、鳥取県公立小学校教師。教育サークル「豆腐のような教師になろう」代表)

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教師が子どものリーダーとして必要な3つの条件とは何か

 担任はクラスのリーダーであり、校長は学校のリーダーである。
「教育は人なり」とはよく聞く言葉だ。
 教える教師と教わる子どもとの間には、どのような条件が必要になるのだろうか。
 私は、次の3つの条件をあげてきた。
(1)信用され、信頼される人
 人は、信用し信頼している人の言葉には、耳を傾け従う。
 不信感を持っている人の言葉には、誰も耳を貸さない。
 信用され、信頼されるためには、ふだんの一つひとつの小さなことが子どもに納得されるものでなくてはならない。
 リーダーである教師は、子どもからも保護者からも「信用、信頼を得る」ことが何よりも大切だ。
 これなくして、教育は成り立ち得ない。
「信」の字は、「人」編に「言」と書く。言葉が大切なのだ。偽りや虚言は信を失う大本である。
 言葉を慎み、口に出したことはその通りにしなければならない。
 信用も信頼もされない者に教育はできようはずがない。
(2)尊敬される人
 人は優れている人だと敬服する。優れた人の言葉や行いに、人は進んで近づき、学ぼうとする。
 尊敬されるためには、不断に学び、成長することが欠かせない。
 常に謙虚な姿勢で、自分の不備や不十分に気付き、それを補い、高め、続けている人は、誰からも尊敬される。
 尊敬する人には、誰もが憧れを抱き、あのようになりたい、少しでも近づきたいと思う。
(3)慕(した)われる
 子どもが教師に、何だか近づきたいという気がしないというのでは、教育は成り立たない。
 子どもに慕われないと、学びは長く続かない。長く続かなければ教育は実らない。
 これを生むのが、人間としての温かさであり、優しさであり、寛大さであり、明るさであり、おおらかさである。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき、突然クイズを出すと、話を聞くようになる

 授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき突然クイズを出します。
 教師の話をよく聞いていた子だけが分かるクイズです。
 子どもたちは、教師の話を注意深く聞くようになります。
 進め方は、
(1)授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき
 教師は突然「ラーメンが食べたい」と言う。
(2)教師は
「おしゃべり禁止。先生は今、何が食べたいと言ったでしょう」
「1番、カレー。2番、寿司。3番、ラーメン」
「決めた人は、顔を伏せます」
と言う。
(3)子どもたち全員が伏せたら、教師は、伏せたまま、決めた番号を指で出すように指示する。
(4)子どもたち全員が番号を出したら、指を出したまま、顔を上げさせる。
(5)教師は
「正解は3番のラーメンです」
「正解だった人は、起立!」
「先生の話をとても良く聞いていましたね。拍手~!」
とほめる。
 繰り返し行うと、子どもたちは教師の話をよく聞くようになる。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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アマチュアみたいな教師が多すぎる、プロ教師になるにはどうすればよいか

 アマチュアみたいな教師が多すぎると思います。
 長い時間かけて学校で何かをしていたら、仕事をしているのだと勘違いしている教師たちがいます。
 私がプロ中のプロだと認める教師たちの多くは、毎日学校に遅くまで残っていることは少ないのです。
 遅くなる理由は、
(1)だらだらと時間をかけることに慣れて、早くするという感覚が無くなっている。
(2)段取りが悪くて、時間がかかってしまう。
(3)切りのないことを、いつまでも続けてしまう。
 例えば、明日の授業のことなどは、いくら粘っても良い授業にはなりません。授業は常に「見切り発車」なのに、見切らないままに時間が過ぎて、くたくたになってしまうのです。
 プロ教師は、お客である保護者に満足してもらわないといけないのです。
「私は正しいが、親が分かってくれない」なんていうのは、プロ教師の言うことではありません。正しいなら、分かってもらえるように説明すべきです。
 その仕事に応じた態度というものがあるのです。教師は子どもや保護者に不安に思われないことが大切です。
 教師も、下手に出ることで、かえって軽く見られてしまうことがあります。自信がなくても、そんなそぶりを見せてはいけないのです。
 子どもたちだって、教師は堂々としていてくれた方がいいのです。
 教師は学び続ける姿勢が必要です。
 普遍的な考えや技術があり、同時に新しいものへの知識と見識を持っていることがプロ教師としての最低条件だと思います。
 プロは結果が問われます。
 プロ教師は子どもが育ち、目に見える目標や結果をのこすことを意識するものだと思います。例えば、
「あの先生が担任したら、子どもの平均点が上がる」
「あの先生は、子どもたちの世の中への関心を高めてくれる」
などと言われるようにならないと、プロ教師とは言えないのです。
 プロ教師になるには教育実践がすべて。
 教育書や学級経営の本を読みあさり、セミナーにいくら参加しても、決して授業や学級づくりはうまくいきません。
「ここを、どうすれば良いのだろうか?」という問題意識を持ち、その上で本を読んだり、セミナーを聴いたりして、もう一度、子どもたちへ教育実践し、常に子どもを通して学んでいくことが大切です。
 では、教育実践はどうすればよいのでしょうか。
 授業や学級づくりで教師が力をつけるために、教育実践を工夫し、失敗や成功を、ちゃんと受け止めて学び、自分の教育実践を改善していくようにするとよいと思います。
 子どもたちとの教育実践からしか、教師は力をつけられないものなのです。
(多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演)

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教育実践がうまくいく先生は何が違うのでしょうか

 教育実践がうまくいっている教師は何が違うのでしょうか。
 教育実践がうまくいっている理由をあげると、
(1)教育実践がうまい教師は、原因を追及しすぎません。
 原因を追求しすぎると、教育実践がうまくいかないことを、よく知っているからです。
 教育実践がうまくいかない原因には、取り除くことができるものと、できないものがあります。
 例えば、親の離婚が原因で欠席が多くなった場合「離婚をやめてください」とは言えません。
 原因を追究して取り除くという考え方は、教育現場には、なじまない場合が多いようです。
(2)どうしたらうまくいくかという「解決」に焦点をあてる
 教育実践がうまい教師は、どうしたらうまくいくかという「解決」に焦点をあてます。 
 どうしたら、「よりよき状態を手に入れることができるか」を考えることに焦点をあてたほうが効率がよいのです。
(3)うまくいっている状況を具体的に想像ができる
 教育実践がうまい教師は、「よりよき状態」を手に入れるために
「うまくいっている状態では、どのようなことが起きているか」を、具体的に想像できます。
 実は、ここが一番重要なことです。
 例えば、うまくいっている学級の状態では「個々の子どもにどんなことが起きていますか?」具体的に考えてみてください。
 そのとき、子どもは何をしていますか。どのような言葉が聞こえ、どのような関わり方をしていますか。
 具体的な行動が想像でき、そのときの空気感まで感じることができれば、半分は成功です。
 最終のゴールのイメージが描けたら、現実のものにするために、何をするか考えればいいわけです。
 ゴールのイメージが想像しにくい教師は、うまくいっている教師の学級の様子を観察したり、同僚の教師と一緒に考えてみたりするとよいでしょう。
(4) 「どうしたら、うまくいくか」という解決志向の対応や考え方が体になじんでいます
 私は、以前に中学校の教師をしていましたが、そのとき私にできたことは、生徒たちが「しあわせ」を感じることのできるセンサーを磨くことと、心の種をひたすら蒔き続けることでした。
 ストレスは、自分の思うようにいかないときに生じるものです。
 私たちは、変えることのできない他人と過去の出来事について「なぜ」「どうして」と思い悩み、身動きがとれなくなるのです。
 他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられます。過去の出来事をどう受け止めるかは、いま、変えることができます。
 原因の追究に時間を割くのではなく、解決志向でいきましょう。
 教育実践のうまい教師は「どうしたら、うまくいくか」という解決志向の対応や考え方が体になじんでいます。
 こうした教師の対応や考えが、子どもたちのモデルにもなります。一石二鳥にもなるでしょう。
(5)うまくいかないとき、子どもを変えようとせず、教師自身の行動を変える
 子どもを変えようとするのではなく、教師自身の行動を変えれば、未来も変わります。
 もし、一度やってうまくいったなら、迷わず次もその方法でやってみることです。
 その方法を繰り返し続けていくうちに、それが自分の得意技となり、自信へとつながります。
 一度うまくいくと、どんな忙しくても、どんなに時間を費やしても「達成感>疲労感」となるものです。
 もし、うまくいかなかったら、いさぎよく、ほかのやり方を試してみましょう。うまくいかないことに、いつまでもこだわることはありません。
 百発百中をめざすのではなく「数打ちゃ当たる」の心意気です。そして、うまくいったら、迷わず次もその方法でやってみることです。
 教育実践のうまい教師は、うまくいかないとき、子どもを変えようとせず、自分が変わろうとします。 
(6)子どもたちの小さな変化に気づくのがじょうず
 教育実践のうまい教師は、子どもたちをよく見ています。
 いままで、できていなかったことが、できそうになった瞬間を見逃さないのです。すかさず声をかけるのです。子どもたちは前に進む勇気が出ます。
(7)小さな変化を起こすのがじょうず
 いままでとは違う何かをするということです。
 例えば教室に入るとき、いつもは前から入るが、今日は後ろから入り、机と机の間を通るルートを変えてみます。子どもの様子を身近で観察することができます。
(8)「どうしたらうまくいくか」考えるのがじょうず
 よりよき状態を手に入れるために、どうするか考え、すぐに行動に移すことができます。
(9)問題解決を「子ども自身でできる」と信じて対応することがじょうず
 教育実践のうまい教師は、子どもの話を聴きながら、
「そっかぁ(受容)」
「で、あなたはどうしたいの?(質問)」
と、いった会話をしています。
 答えは、その子がすでにもっているものです。気づかないふりをしていることが多いことを教師は知っているのです。
(10)「アプローチの引き出し」をたくさん用意できている
 教育実践のうまい教師は、アプローチの仕方の引き出しをたくさん持っています。
 この手法がダメなら、あの手法がある。この子にはこの言葉がけが効くだろうと。
 アプローチのレパートリーを増やすには、どうすればよいのでしょうか。
 各種研修会に参加する。本屋で探すのもいいでしょう。常にセンサーを張り、気になるものや使えそうなものを書きとめることをおすすめします。
(11)教育技法や理論を支える哲学をもち、それを支える人間性を常に磨く
 教育技法の裏づけとなる理論を知り、意味がわかることが大切です。
 すぐに結果が出なくても、意味がわかっていれば、余裕をもって子どもにかかわることができるようになります。
 逆に、小手先の技法にとらわれて溺れたりしないでください。
 いくら技法を学んでも、それを使う教師の人間性に問題があると、実践はしっくりきません。操作的になってしまい、うまくいかないので注意が必要です。
 教育実践のうまい教師は、教育技法や理論を支える哲学をもち、それを支える人間性を常に磨いているのです。
(鹿嶋真弓:広島県生まれ、東京都公立中学校で30年間勤務、神奈川県逗子市教育研究所長を経て高知大学准教授。文部科学大臣優秀教員表彰。日本カウンセリング学会賞受賞。専門は学級経営、人間関係づくり、カウンセリング科学。構成的グループエンカウンターなど教育現場に活かせるワークショップを展開。 『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)出演)

 

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教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている人、どうすればよいか

 失敗して、くよくよして教師に向いていないのではないかと、思い悩む日々があります。
 そんなときは、とても苦しいものです。
 それでも、元気に子どもの前に立ち、少しずつがんばりたいと思います。
 例えば、どうしても相性が合わないものがいるものです。無理に合わせようとしても、かえってすれ違ってしまいます。
 子どもに嫌われないためにできることは、少なくとも教師が子どもを嫌いにならないことです。
「あの子は嫌い」という教師の気持ちは、敏感な子どもたちにはすぐに伝わってしまいます。
 逆に「あの子が好き」という気持ちは、合わない子でも感じ取ります。
 合わない子のどこか好きなところを見つける。これは教師が意識すればできることです。
 教師が子どもたちに教えられる一番のことは「学び続ける」ことだと思います。
 教師自身が失敗しても、振り返り、そこから学び、元気にチャレンジする姿を見せる。
 それが、子どもにとって、一番の学びになるはずです。
「師」とは自分の学ぶ姿を弟子に伝える存在です。
 つまり、自分は教師に向いていないのではないかと考える姿こそ「師」として子どもに見せるべき一番大切な姿なのです。
「教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている」という言葉は、私自身が、自分の師とする人から言われた言葉です。
 ちょっと抜けたところもある教師だからこそ、子どもにも伝わることがあるはずです。
 そうはいっても、どうしてもしんどくて元気がでない時は、決して無理をしないようにしてください。
 教師の仕事は、自分の存在をすべてかける、やりがいのある仕事です。それを生きがいにして元気になるなら、大丈夫です。
 しかし、どうしても、しんどいときが必ずあります。
 しんどいときに、無理に頑張っても、何も解決できないことがあります。
 そんなときは、子どもたちのためにも、自分の身体や心を休め、大切にしてください。
 少し時間をおくと、状況が変わり、解決することもあるでしょう。
 楽しく学び続ける教師の姿こそが、子どもに一番いい影響を与えます。
(桔梗友行:1977年宮城県生まれ、兵庫県公立小学校教師。ユニット授業や学び合いに取り組む。「学び合うin神戸」主宰)

 

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