教師が子どものリーダーとして必要な3つの条件とは何か
担任はクラスのリーダーであり、校長は学校のリーダーである。
「教育は人なり」とはよく聞く言葉だ。
教える教師と教わる子どもとの間には、どのような条件が必要になるのだろうか。
私は、次の3つの条件をあげてきた。
(1)信用され、信頼される人
人は、信用し信頼している人の言葉には、耳を傾け従う。
不信感を持っている人の言葉には、誰も耳を貸さない。
信用され、信頼されるためには、ふだんの一つひとつの小さなことが子どもに納得されるものでなくてはならない。
リーダーである教師は、子どもからも保護者からも「信用、信頼を得る」ことが何よりも大切だ。
これなくして、教育は成り立ち得ない。
「信」の字は、「人」編に「言」と書く。言葉が大切なのだ。偽りや虚言は信を失う大本である。
言葉を慎み、口に出したことはその通りにしなければならない。
信用も信頼もされない者に教育はできようはずがない。
(2)尊敬される人
人は優れている人だと敬服する。優れた人の言葉や行いに、人は進んで近づき、学ぼうとする。
尊敬されるためには、不断に学び、成長することが欠かせない。
常に謙虚な姿勢で、自分の不備や不十分に気付き、それを補い、高め、続けている人は、誰からも尊敬される。
尊敬する人には、誰もが憧れを抱き、あのようになりたい、少しでも近づきたいと思う。
(3)慕(した)われる
子どもが教師に、何だか近づきたいという気がしないというのでは、教育は成り立たない。
子どもに慕われないと、学びは長く続かない。長く続かなければ教育は実らない。
これを生むのが、人間としての温かさであり、優しさであり、寛大さであり、明るさであり、おおらかさである。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)
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