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子どもたちの心をつかむため、教師の発声や表情はどうすればよいか

 教師の声は、明るくはっきり、大きな声が基本です。
 教師の熱意と頑張りを子どもたちや保護者に伝えるためのものです。
 教師は、子どもたちの心を揺さぶり、動かしていかなければならない。
 そのため、エネルギーを常に発散させねばならない。
 発声の練習には、顔の表情の練習も加えていきます。
「一生懸命に頑張っている」という表情です。
 教師が楽しんでいる表情です。
 苦しそうではダメです。 
 つまらなさそうでもダメです。
 あくまでも楽しんでいる表情です。
 教師が楽しんでいなければ、子どもたちも楽しめません。
 頑張っていることが、楽しいという姿勢です。
 メリハリが大切ですから、真顔の練習もします。
 そうした表情のメリハリだけで、子どもたちをコントロールすることができるようになります。
 先生の表情から、子どもたちは「あ、まずいな」「先生、楽しそうでよかった」と、読み取るからです。
 早口が悪いのは、聞き取れない、間がないからです。
 間がないと、聞き手の脳の中で、どんどん情報が上書きされてしまうわけです。
 感情を込めた読み方も勉強する必要があります。
 必要に応じて、身振り手振りもして、動き回って語ります。
 教師が子どもたちをしっかりと見て、自分が見られているということを子どもたちに意識させるのです。
「先生は私に伝えようとしている」
「ちゃんと伝わっているかを確認している」
と、一人ひとりの子どもたちに思わせる。
 声以外に最も大事なのは目の動きです。
「目は口ほどにものを言う」というのは本当です。
 教室では、教師はせかせかせず、まんべんなく、子どもたちを見ていくことが重要です。
 極力、子どもたちを均等に見てあげます。
 教師は、子どもたちを目だけで追ってはいけません。身体ごと、一人ひとりの子どもと正対する。肩から向かわなければダメです。
 教師は自分が思っているよりも、かなりゆっくりとしたスピードで、子どもたちを見ないと、伝わりません。
 教師が子どもたちを見ているつもりでも、見ていないことが多い。
 そのコツをつかめば、子どもたちが30人だろうが100人であっても、伝えることができるはずです。
(大矢 純:1966年生まれ、授業学研究所所長。数学の授業や教員育成などの経験をもとに、授業学の確立と普及を行っている。各地の学校で研修や講演、コンサルティングを行っている)

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