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子どもたちが、話す力・聞く力を身につけるためには、どのように指導すればよいか

 私は学級づくりと連動させ、1年間を通して話す力・聞く力の指導に取り組むようにしています。
 最初は「型」を教えることから始めます。
 スピーチをするときは、まず礼をして「はじめ・中・まとめ」で話をし、最後に挨拶をする「型」を教え、人が傷つくことや、下品な内容は話さないことを示します。
 話す内容は、事実と気持ちを1つずつ入れた「1+1」の型から始めます。例えば、
「昨日、運動会がありました(事実)。とても楽しかったです(気持ち)」
というものです。
 子どもたちが安心感をもって取り組める易しいステップからスタートするのです。
 慣れてくると、この型を破って個性あふれる話をする子どもが出てきます。ここで、自由にスピーチをさせます。
 そして次は「2+1」で話そうとレベルをあげます。
 このように、型→自由→型をくり返して、徐々にスピーチの内容を膨らませていきます。
 声の出し方や姿勢、話の構成などスピーチに必要な指導のポイントはいくつもありますが、1回のスピーチでは1つに絞ります。例えば
「今日のスピーチでは、数字を入れよう」と提示し、それができたら合格と、ほめるようにします。
 人前で話すことに慣れていない子どもは「これでいいのだろうか」「みんなは、自分の話を聞いてくれるだろうか」と不安でいっぱいです。
 教師がいいところを見つけてほめることで、子どもたちに達成感を味わわせることが大切です。
 話す力の指導でもう一つ必要になるのが「聞き手」を育てることです。
 スピーチの感想を尋ねてみると
「みんなが一生懸命に聞いてくれた」「拍手をしてくれて、うれしかった」
ことをあげる子どもが多い。
 人前で話すときは誰でも緊張します。でも、聞き手が興味をもって聞いてくれれば、その緊張は心地よさに変わります。
 話して・聞き手が育つことで、お互いの意見を尊重し合う雰囲気がクラスに生まれ、一層充実したスピーチが行われるようになるのです。
 コミュニケーション力は、相手がいて、経験の中でのみ、磨かれていく力です。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

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