落書きがあったとき、どうすればよいのでしょうか
落書きが見つかったとき、一番大切なのは落ち着いて対処することだ。
落書きというものは、犯人が分からないことが多い。
子ども同士では分かっていても、教師に伝わるネットワークがない場合がほとんどだ。
それゆえ、落書きに対処する教師は、どうしてもヒステリックになり、犯人捜しに走ってしまいがちだ。
ヒステリックになれば、子どもたちの信頼を失ってしまう。子どもたちのほうが一枚上手だ。
子どもたちは、教師の一挙手一投足をじっと見ている。どうすればよいか。
まず、泣いている子どもがいれば、その子をフォローする。
そして、決して怒鳴ることなく、子どもたちをまず座らせる。
犯人捜しになってはいけない。
だめなことは、だめだと、ビシッと厳しく話す。
おろおろしていたのでは、書いた子どもにつけあがられる。ほかの子どもたちも不安にさせてします。毅然とした態度を取ることだ。例えば、
「先生は、この落書きを見て胸が痛んでいます。卑劣な方法です」
「先生は絶対に許しません」
「二度と、こんな落書きを見たくないです」
落書きした子どものフォローも忘れないようにしたい。
優しく、落書きした子どもに共感的な態度を示すことがポイントです。例えば、
「でも、先生にも悪かったところがあったのかも知れないです」
「先生が相談にのってあげられたら、よかったなと思います」
「もし、落書きして悪かったなって思っていたら、先生に、いつでも、こっそりでもいいから、話してほしいと思います」
たとえ、名乗り出なくとも、確実に子どもの心の中には何かを残せているはずだ。
人は失敗から多くを学びます。子どもが悪さをしたときは、子どもを立派に育てるチャンスでもある。
学活や朝の会、道徳の時間でもいいが、クラス全体に、あまり押しつけがましくならないような内容で、子どもたちに話をしたい。
(西井孝利:大阪府私立小学校教師)
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