家でダラダラとしたり、親に逆らう、わが子との過ごし方に悩む、保護者に教師はどうアドバイスすればよいか
学校ではしっかりして見える子どもでも、家ではダラダラと過ごしてしまい、親の注意を聞かないという子どもがいます。
勉強もせずに、ダラダラと過ごすわが子の姿にいらだつのが親です。
親の心配もわかりますが、家庭はくつろぎの場でもあります。家庭での厳しさを要求すれば、子どもの「行き場所」がなくなります。
どの子どもも、学校外でストレスを受けて生活しています。
家庭でくつろげるから、心が安定するのです。
ある程度、家庭でわがままになるのは当たり前のことなのです。家庭がくつろぎの場として機能していることを伝えることで、保護者を安心させてあげましょう。
特に子どもが大きくなれば、何度も同じことで注意するのは逆効果です。
例えば、子どもが行動するまで、「早く!」「早く!」と繰り返さないように保護者に助言してあげましょう。
「〇時まで」と、区切りをつけて注意した後は、少し様子を見て子どもが動くのを待つ。それでもダメなときには、ガツンと叱る。そんな具体的な方法を助言することです。
小学校高学年になると、親のいうことを聞かなくなり、注意すると反抗的な態度をとる子どもが増えてきます。
子どもは、小学校高学年になると、大人の行動を客観的に見るようになるものです。
「お母さんも、できていないじゃん」「口ばかり」と反抗的な態度をとることもしばしばです。それが、自立の準備であり、成長と言えます。
親はわが子のこととなると、つい感情的になってしまうものです。
注意すればするほど反発するものです。頭ごなしに叱るのではなく、「いつ勉強を始めるの?」「約束を破ったらどうするの?」など、子ども自分で決めて行動できるような方法で導くことが大切だと、保護者に助言しましょう。
「誰もが通る道」だと、子どもの成長を喜ぶことで、保護者が対応を考えるきっかけにしたい。
よく「先生からきつく言ってください」と頼む保護者がいます。
それを真に受けて厳しく叱っては、子どもは親にも教師にも反抗的になり、信頼関係に悪影響が出てしまいます。「お母さん、心配してたよ」と優しく諭すことです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)
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