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小さなトラブルを見逃すな、子どもと保護者が納得する生徒指導とは

 子どもの指導は「スピード感のある対応」が不可欠である。
「生徒指導の遅れが命取りになる」といわれる。
 生徒指導の対応が遅れば、遅れるほど、学級経営が厳しい状況になることを意識して、小さなトラブルを見逃さないようにしよう。
 気づかないままに進んでしまうと、あっという間に学級崩壊になってしまう危険がある。
 生徒指導の技術として、小さなトラブルを見逃さない教師としての力量を定着させるためには、
(1)その日の問題は延ばさない
(2)スピート感ある対応を心がける
(3)物がなくなったときの対応を意識する
(4)保護者との連携を強固にする
(5)報告・連絡・相談を密にする。
(6)不公平感、不平等感に陥らないようにする
(7)いじめの対応を原則とする
(8)保護者との面談を積極的にする
 これらの生徒指導の技術は、教師として身に付け、確実に実践の中で活用を図らねばならない。
 何か生徒指導の問題が起きたときは、その日のうちに対応しよう。
 下校時に、子どもがどの状況にあるか、見極める力量が教師になくては生徒指導は始まらない。
 下校時に声かけをして、状況を把握しておくだけで、子どもの気持ちが少し晴れやかになることも少なくないからである。
 その日の問題を延ばさないためのチェックポイントは
(1)子どもの体調が悪いまま、下校させていないか
(2)ケガをしたまま、下校させていないか
(3)学級でのトラブルを保護者に報告しているか
(4)下校時に、悲しい思いをしている子どもはいないか
(5)いじめに関するトラブルはないか
(6)帰りの会での生徒指導の問題を放置していないか
(7)子どもの気になる状況の解決策は図れたか
(8)継続指導中の子どもの状況の変化を見たか
(9)保護者との面談等について計画的に進めているか
(10)管理職との報告・連絡・相談はしているか
 その日に起きたことの解決の方向性を明確にしておくことは、明日の解決に向けたステップにもなるということである。
 生徒指導は、ほとんどの場合、保護者との連絡や状況説明が欠かせない。
 その説明が不十分だと、小さなことでも担任と保護者との理解度の違いが生じることになる。
 教師の配慮ある一報が保護者にあれば、信頼につながることを理解しておこう。
 担任にとって、保護者は最大の応援団であることを意識しておこう。
 このことは、話し言葉や電話対応でも自然と分かってしまうものである。
 今日すべき保護者との連携を怠れば、明日は苦情となることを認識しなければならない。
 保護者との連携を強固にするには、
(1)生徒指導に関することは保護者に簡潔にする
(2)伝える内容を箇条書きにして、分かりやすく説明する
(3)関係者の状況を理解したうえで伝える
(4)場合によっては、家庭にまで足を運ぶ
(5)今後の対応を的確に説明する
(6)当事者相互の連携も確実にする
(7)この程度は、というときにも必ず連携を取る
(8)保護者との連携は、担任の思いを必ず伝えるという意識をもつ
(9)一歩先までの見通しを伝える
(10)解決までの期間を意識する
(11)担任の対応で「大丈夫」の意識をもたせる
(釼持 勉:東京都公立高校・小学校教師、教育庁、小学校長を経て、帝京大学教育学部教授、東京学芸大学特任教授)

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