教師の一番の仕事は「子どもをほめる」こと、教師の1日は子どもをほめるためにある
私は、昔、明石家さんまさんのTV番組「踊る さんま御殿」を字起こししたことがあります。1時間の番組を全て字起こしするのは、大変な作業でした。
しかし、大きな発見がありました。
明石家さんまさんの一番の仕事は「笑うこと」でした。
他のゲストが笑っていない時でも、さんまさんは笑っています。
あなたが、さんまさんの番組に出たと想像してみてください。
大スターのさんまさんが、あなたの話を聞いて、必ず笑ってくれるのです。
あなたは、きっとうれしく、すごく話やすいはずです。
さんまさんに、笑ってもらうとは、認めてもらい「ほめられる」ことと同じです。
だから、さんまさんの番組では、ゲストが生き生きと話せるのでしょう。
教師の一番の仕事は「子どもをほめる」ことです。
子どもが「自分が何をしても、先生が必ずほめてくれる」。そんな状況を作れば、子どもたちは自信を持って活動ができますね。
それなのに、若手教師は、ほめることが少なすぎます。つぎの私の名言を胸に、子どもたちをどんどんほめてほしいですね。
「リスクがゼロ、しかも、コストもゼロ、『ほめる』という武器はどんどん使うに限る。使わないのは、もったいない」
「教師の1日は、ほめるためにある」
のだと、心得ましょう。
そして、子どもたちをどんどんほめましょう。
子どもたちをどんどんほめると、子どもが教師を信頼します。クラスがうまく回り始めること間違いなしです。
例えば、授業態度が悪い子どもがいたとき、隣の子どもをほめます。
手悪さをしている子どもがいた時です。その子どもを叱るのは素人のすること。
隣の子どもをほめると、手悪さはおさまります。どうしたら、よいのでしょうか。
教師は、その子どもを叱りたい気持ちをグッと我慢する。
手悪さをしている隣の子どもを「手を膝に置いて話が聞けていて、エライ!」とほめる。
すると、その子もほめられたくて、手悪さをやめ、膝に手を置く。
それでも、手悪さをやめなければ、逆隣の子どもをほめる。
それでも、やめなければ
「〇年〇組、膝に手を置いて話を聞けるクラスだね」
「いや、一人だけいた。後1人が膝に手を置けば、完璧なクラスだ」と言う。
それでもやめなければ、当然、厳しく叱る。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)
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