放課後、職員室に保護者からのクレームの電話が鳴っても驚かないようにするには、どうすればよいか
子どもたちが下校して、ホッとする放課後、くつろいだ気分で、同僚教師と話しているとき、電話が鳴るときがあります。
すると、それまでの職員室の空気が一変して、教職員全員の顔が一瞬、キュッと引き締まります。
このようなクレームの電話がこないように、次のような先手の処置を打っておくようにします。
1 子どもたちを笑顔で下校させる
帰りの会で楽しい話をしたり、ちょっとしたゲームをしたりして、子どもたちが気分よく下校できるような工夫をしましょう。
子どもたちが集まる教室では、トラブルが起きて当たり前です。
しかし、トラブルが起きたときに、瞬時にしっかりと対処し、
「今日は、いろいろあったけど、楽しい1日だった」
と、締めくくることができるような、一言を子どもたちにかけて、下校させるようにしましょう。
子どもたちが気持ちよく下校できれば、保護者からのクレームは、ほとんどないと思って間違いありません。
2 気になることは、必ず保護者に連絡する
友だちとのトラブルやケガ、厳しく子どもを叱る、ことがあった場合、必ず連絡帳や電話で保護者に報告しておきます。
場合によっては、家庭訪問の手間を惜しんではいけません。
わが子からでなく、教師から先に連絡することで、保護者の気持ちが随分違います。
ほとんどの場合、保護者が教師を好意的に考え、理解を示してくれます。
「忙しいのに、わざわざすみません」と、恐縮してくれることも珍しくありません。
しかし、万がいち、苦情の電話がかかってきたら、保護者の話を受け入れる姿勢で対応します。
解決を急いで、教師が先に言い分を押し付けることのないように注意しましょう。
相づちを打ちながら、じっくり話を聞けば、保護者の気持ちもおさまってきますし、教師の説明を受け入れる余裕もできます。
保護者の気持ちをいったん受け入れながら、理解を求めていくことが、苦情への対応の基本です。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方研究会」を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)
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