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問題を起こした子どもの保護者から話を聴くとき、どのようにすれば保護者と連携することができるか

 まず、子育てに対するねぎらいの言葉から始めて、保護者の語る話に全神経を集中して、最後までしっかりと聞き、話を受け入れていくことが大切です。
 不安や不信、親の怒りや困っている感情など全ての思いを聞き取ろうとする心構えが求められます。
 このとき、保護者の言い分を十分に聞かないまま、学校が説明し説得しようとすると、保護者に聴いてもらえなかった不満が残ったり、不信感が生じて、非協力的となり、問題がこじれてしまうこともあります。
 このような状況に陥ると、いくら正しい内容を伝えても、受け入れてもらえないことになります。
 保護者との関係が悪化する背景をみると、保護者の話を傾聴し、受容する姿勢に欠いていることが原因となっている場合が少なくありません。
 保護者と連携するには、初期において、保護者の心情を理解し、子どものことで悩んでいれば、解決に協力し、今後も気にかけていくことを伝えながら、信頼関係をつくっていくことがポイントとなります。
 保護者への問題行動の事実関係の説明はどのようにすればよいのでしょうか。
 今回の件に関連した学校やクラスの状況を説明した後に、その子の問題を説明するという流れが、保護者の正確な理解につながっていきます。
 つまり、全体から個人へという流れで説明するとよい。
 気をつけたいことは、保護者の語る内容を「事実と意見」に分けて話を整理するようにします。
 例えば「AくんがBくんの教科書を破いた」のは周囲の子どもも見ていた事実ですが、それが「いじめによるもの」と保護者が判断していることは意見になります。
 多くの語りは、事実と意見が混在したものであることに注意が必要です。二つを整理しながら聴くことが求められます。
 保護者の発言内容に教師の感情が揺れ動き、中立的な立場をもち続けることが難しくなります。
 どうすれば冷静さを保てるかというと、
(1)感情が揺れ動くのは当たり前という心構えをもつ。
(2)もう一人の自分が感じ取るモニタリングを行う。
ことが手だてとなります。
 保護者が学校に期待している対応を確認することは、保護者の心情の理解に役立ちます。
 しかし、保護者が期待する対応が現実には難しいと判断した場合は、
(1)そうすることが、周囲の子どもたちから特別視される。
(2)反発を招く可能性がある。
ことを保護者に伝えながら、学校が集団生活の場であることに、目を向けてもらう必要があります。
 保護者と話がこじれてきたときには、例えば、その場で即答せずに「この話は、いったんお預かりして、検討した上で連絡します」と、クールダウンすることもスキルの一つです。
 日頃は、教師と子どもとは「教える-教えられる」の関係ですが、教師と保護者とは、子どもの成長を「見守る-指導する」という同じ土俵にいる大人同士の関係にあります。
 保護者と連携するには、教師の教える姿勢はいったん封印し、子どもの問題解決という同じ目標をもっていることを確認しながら、保護者への支援を進めていくことが大切です。 
(石橋昭良:警視庁少年警察部門心理職を経て文教大学教授。臨床心理士)

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