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危機は不意に起こる、危機に強い学校とは、どのような学校か

 危機は不意に起こる。パニックにならないためには、想定しておくことだろう。
 先を読み、事前の予防や回避策が重要なのである。
 危機に強い学校とは、危機を想定した対応のシステム化を常に意識していることである。
 危機が発生したとき、何をどういう視点で、どこまで行うのかを瞬時に判断できるよう事前にマニュアルを作成し、事が起こった時はシステムとして対応できる学校である。
 また、システムの更新の工夫も検討し、保護者との信頼関係を構築することも重要である。
 学校で問題が発生した場合は、パニック状態になり、有効な手だてがとれないと思っていい。そこで、次のポイントを常に意識している学校が、危機に強い学校といえる。
1 早く慎重に最初の一手を打っておく(早く、慎重に)
 危機が発生すれば、混乱状態が予想される。
 即座に最初の一手を打っておくことだ。たとえそれが最善の一手でなくても、時間が稼げることで、冷静に対応することが可能となる。この一手が職員の判断力・決断力なのである。
2 何をどこまで知らせるか範囲を即座に決める
 内容によっては、学校内だけでは留めておけないこともある。逆に、人権的配慮から、あえて公表の必要がないものもある。隠匿が後で大きな問題に発展しかねない。
 どこまで公表するかは管理職の裁量権である。ただ、昨今は公開が原則になっている。マスコミ対応もここにある。監督権者との意思疎通が欠かせない。
3 社会的な視点から問題を考える(誰が見ても、おかしいことぱおかしい)
 発生した危機を教職員以外の者が聞くとどう思うかという視点で考えて欲しい。
 マスコミ報道で学校の対応が叩かれるのは、実はこの視点なのである。そのため、教職員の声はもちろん、PTA等など他の意見を聞くことも一案であろう。
4 教職員が一体となって取り組む
 危機対応においては、教職員の共通理解と行動が重要である。
(1)事前にしておくこと
 何が問題になるのかを教職員に知らせることから始めたい。
 他で発生した危機情報を収集し、自校にあてはめて検討しておく。その結果を知らせ、危機状態にならないための工夫を施しておく。
(2)起きてしまった時の対応
 最初の一手を即座に打つ。特に連絡系統の確保が欠かせない。
 また、子どもたちに対する説明責任が伴う。保身に走らないほうが傷は少ないと考えるべきである。
(3)日常的な配慮も重要
 日常の教職員の人間関係はどうか、互いに信頼し合えるかどうかも重要な視点である。危機状況で動ける学校の基本はここにある。
5 メディア対応
 危機対応ではマスコミ対応の視点が必要である。
 学校では、子ども、保護者、地域に対する影響が懸念される。したがって、迅速な対応が基本である。早期の対応がその後を決める。
(1)マスコミ報道は排除できない
(2)事実は隠蔽できない
 先手を打っておく。例えば、教育委員会への事故報告(速報)であり、PTAへの説明である。
 事故の経緯、原因や動機、対処、今後の方針を明らかにしておきたい。
(3)学校は社会的な認識をもって対応しないといけない
 気になることは、日頃から保護者を交え、十分話し合っておきたい。保護者との信頼関係があれば、風評にもならない。
「こんな報道をするほうが問題だ」と受け入れない意識が、問題を繰り返す元凶となる。
(4)記者と誠意をもって対応する
 記者は不足する情報を周囲から補強する。その情報は大体批判的なものと考えたほうがいい。こうした情報を含む報道が世間を騒がせているのである。
 誠実な対応とは、記者にとって必要な5W1Hを提供し、出せない個人情報などはきちんと説明することである。
 記者は、まわりくどい専門的な説明を嫌う。教職員は概してそういった説明をしがちである。
(阪根健二:1954年神戸市生まれ、香川県坂出市立中学校教師、香川県教育委員会主任指導主事、坂出市立中学校教頭、香川大学助教授を経て鳴門教育大学教授。専門は学校教育学(危機管理、教職論、生徒指導)

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