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子どもが暴力行為を起こしたとき、子どもの指導や保護者に理解と協力を得るポイントとは

 暴力事件が発生した直後は、加害者の子どもの興奮を鎮めて落ち着かせることが大切です。
 そのためには、その場から離れた場所へと移動させ、クールダウンさせることが必要です。
 それと同時に、暴力を受けた子どもの安全を確保し、身体と心のケアを迅速に行うことが求められます。
 その後、加害者と被害者の子どもから事実関係を聴き取ります。
 聴き取るときに注意したいのは、子どもが語る内容には、客観的事実と心理的事実の二つの事実がふくまれているということです。
 例えば、心理的事実とは
「相手がにらんだと思ったから、胸ぐらをつかんだ」
「私を無視するのは、自分のことが嫌いだから」
など、あくまで本人が感じて受けとめた主観的な事実である。
 それゆえに、思い込みや誤解であることも少なくありませんが、本人は自分なりに事実と受けとめて信じています。
 客観的事実は、まさに事実そのものである。
 指導に当たっては、二つの事実を見極めて、整理しながら聴き取りを進めていく必要があります。
 さらに、暴力事件の直後の対応で気をつけたいことは、暴力は「伝染することがある」ということです。
 周囲にいた人たちが暴力の影響を受けて冷静さを欠き、興奮して暴言を吐いたり、物に当たり散らしたりするようなことは、絶対さけなければなりません。
 教師が事情を聴き取るときに、
(1)教師が自らの感情を爆発させないために、複数の教師で対応する。
(2)子どもと一定の物理的距離を置く。
ことがもとめられます。
 暴力行為が発生したときには、子どもの指導と並行して、保護者に連絡し理解と協力を求めることが不可欠です。
 保護者から家庭の様子や困りごとがないかを聞きながら、日頃の親子関係を確認していくとともに、解決に向けて保護者と一緒に取り組んでいく姿勢を伝えることが大切です。
 子どもの指導と保護者と面談を重ねていくと、暴力行為など問題行動のある子どもの中には、日ごろから親からの叱責が多かったりすることがある。
 その積み重ねで意欲や自信が失われたために反抗的になっている、などが問題行動の背景にあると感じることがあります。
 また、親の立場からすると
「何でこんなことをするのだろう?」
「いくら注意しても親のいうことをきかない」
「どうすれば親の気持ちが通じるか」
「どれくらい厳しくすれば親の言うことを聞いてくれるのか」
なと、対応に苦慮している様子を語られることがあります。
 子どもへの指導を通じて
「この人は、わが子のことを心配してくれている」
「子どものことを本気で考えている人だ」
という明確なメッセージを保護者に伝えることができるか否かが、解決に大きく影響します。
 このメッセージが伝わることが、保護者との信頼関係の形成につながる第一歩であり、根幹にかかわる重要なポイントといえます。
(石橋昭良:文教大学教授、元警視庁少年育成課副参事(心理職)、臨床心理士)

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