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教師として手を抜かないのは、子どもたちへの思いの強さがあるから

 私立高校の教師をしている岩崎元気先生は、とてもハキハキとした真面目で実直な人です。
 塾講師にあこがれていた岩崎先生は、大学2年生のときに学習塾のアルバイトを紹介されました。その塾でアシスタントとして働くようになりました。
 岩崎先生は、その塾でたくさん学び、経験をしました。
 最初の1か月は授業のための研修を受けました。
 午後から模擬授業を行い、それをプロの講師に見てもらうのです。できることを徹底してやろうとしました。徹底してやっていくことで人として磨かれていきます。
 この学習塾で、岩崎先生は「子どもたちが勉強しやすいベストな環境を作る」という想いが込められていました。例えば、
 休み時間に黒板を綺麗にし、チョークの粉がついてない状態を作り続けました。トイレ掃除も行いました。
 プリント作成時にコピーした時に出る不要な線を消すなど細かい気配りまで徹底しました。スピートを上げて作業する研究もしたといいます。
 岩崎先生は、授業を行う際の「声」の大きさ、「文字」の丁寧さ、「話す」時の子どもへの目線など、基本的なことを徹底的に教えられました。
 さらに、周到な「授業準備」も教え込まれた。
 教師のノートは見ないで、例題も含めて、すべてを頭に叩き込んでから授業に臨みました。
 このことを徹底することで、子どもたちとの対話が増え、子どもたちの表情を見ながら授業がおこなえるようになりました。
 授業準備のためのノートには、教科書や問題集の内容、いくつもの例題、図表やその単元に関係する資料、余談などを、何パターンもびっしり書き込みます。
 それを頭に叩き込んで、自分の言葉で授業を行う。
 研修中、これを毎回、完璧にこなさなくてはならなかったそうです。
 この準備には、大変な時間がかかったことが想像できます。
 子どもたちのために、完璧におこなう気持ちで取り組んでいたのです。
 どんなことでも、ある期間は夢中になって取り組むと、それが大きな力になっていきます。私は多くの教師をみてきたのでわかります。
 集中して取り組んだその経験が将来、大きな力となっていくのです。
 岩崎先生は、その後、高校の教師になりました。そして、今でも、塾同様に、授業準備を続けているそうです。
 また、子どもたちの人間性を磨くために、新聞のコラムや世の中の出来事、本や講演会で学んだことなどを、メルマガやブログ、学級通信に書き、子どもたちや保護者へメッセージとして送り続けています。
 教師として大切なことは、子どもたちの心を揺さぶり、自ら動いてもらうように指導することだと思います。
 そのためには、まず教師自身がその背中を見せる必要があります。
 高校では、卒業したらすぐに社会人となり、働く生徒がいます。
 だから、自分の力で人生を幸せにする力を卒業までに身につけてほしいのです。そして、自分の周りの人も幸せにできる人になってほしいと岩崎先生は想っています。
(岩崎元気:1988年神奈川県生まれ、神奈川県の私立高校教師。「あしがら教師塾」事務局)
(文章:中野敏治:神奈川県公立中学校校長。「やまびこ会」代表、「あしがら学び塾」主宰)

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