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子どもの意欲や行動を引き出すためには、どのように説明すればよいか

 ある事柄について、聞き手である子どもたちに、教師がわかりやすく話すことを説明と言います。
 わかりやすく説明するためには、
(1)結論を先に
(2)全体から細部へ
(3)具体的に
(4)キーワードを使う
 ことが重要です。
 教室での説明は、子どもたちが知らないことを知ったり、経験する場面で行われます。
 子どもたちが知らないことであるため、目的やなぜ必要なのか理解できず、それに取り組む意欲も湧いてきません。
 教師が教室における説明の意義と目的を十分に理解した上で、説明することが重要です。
 何かを知ろうとすると、そのための情報が与えられていることが重要です。
 そのため、教室における説明では、わかりやすく伝える以外に、次のような要素がより重要だと考えます。
(1)目的:何のために
(2)必然性:なぜ
(3)規準:どれくらい
(4)意欲喚起:子どもたちがやりたくなるように
 教室でこれらをきっちりと伝える説明をすることによって、子どもたちは学習の見通しと納得、安心感、「よし、やってみよう」という意欲を持つことができます。
 教室で説明するとき、指針を与え、意欲を喚起させ、行動を引き出すことがとても重要だと私は考えます。
「説明がうまくいく」→「子どもが行動を変える」→「子どもにとっても、教師にとっても説明の効果が見える」→「説明の素晴らしさを見直す」というサイクルの実現をめざします。
 そのための行動を引き出す説明のルールは
(1) 自己選択から自発性を引き出す
 指示されて行動する子どもが、指示されなくても、「よし、やってみよう」と行動する子へと子どもが変容するためには、自発性が育たなければなりません。
 そのためには、例えば「AかBか」自ら選択して行うことや、選択して行ったことが順調に進むという経験を積み上げることです。
(2) 実感から納得を引き出す
 子どもが、自ら行動を起こす動機として重要なのは納得です。
 人間は理由や理屈がわかっている方が行動しやすいものです。
(3) 安心感から意欲を引き出す
 人間が意欲的になるには、安心が必要です。
 子どもの意欲を引き出し、望ましい行動を引き出すためには、安心を与える教師からの説明、教室全体の温かい雰囲気にする教師の説明が必要です。
 教師からの、後押し、推奨、失敗の容認、行動への承認が約束されていれば、子どもは意気揚々と行動を起こすに違いありません。 
(4)興味関心から積極性を引き出す
「先生の話を聞いていたら意欲が湧いてきた」という言葉が引き出せたら、説明の効果大と言えるでしょう。
 話を聞ける子どもを育てるためには、やはり興味関心の持てる話から始めていくほかないでしょう。
 すぐれた教師は、楽しい話や話し方によって、子どものよい話の聞き方を引き出しながら、最終的に、いろいろな話が聞けるように育てていくものです。
(山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)

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