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勉強して成績が上がるための技とコツとは、どのようなものでしょうか

 勉強をやっても成績があがらないという人がよくいますが、それはやり方に問題がある場合が多いと私は思います。
 勉強のコツと技を押さえておけば、勉強の効率はかなりアップするでしょう。
 本は、本という物として見ないで、人との出会いとしてとらえる。そう考えるだけで、ずいぶん変わってきます。
 私は参考書に対して、その本を書いた著者につきあっている感覚でやっていました。
 著者があたかも肉声で教えてくれているという感じが全面に出ているものを探すのがいいですね。
 すると、本で勉強するという無機質な感じが薄らいできます。
 有名な予備校の先生の本などは「もし、この先生に家庭教師してもらったなら、すごく高いよな」と思って読むと、さらにやる気が出ますね。 
 問題集は自分には効く、というものを探しあてると、すごく楽しくなります。作った人の感覚が自分に合うかどうかという相性があるのです。
 学力をアップさせる基本は、とにかく問題を解くこと。どれだけ勉強ができるようになるかは、解いた問題の量なのです。
 参考書と問題集を兼ね備えたような解答が充実している問題集がいい。
 解答は、どうしてそういう答えになっているのか、丁寧に解説してあるのが理想的な問題集です。
 問題集の勉強のやり方は、すぐに解けた問題はやらなくていい。できなかった問題は印をつけておいて、できるようになるまで何度でもやります。
 わからない問題は、あまり長く考えずに解答をすぐ見て、理解して記憶し、もう一度やる。
 しばらくして、同じ問題をやると、答えを忘れて解けないときは、また答を見る。
 そうやって、できない問題ができるまでくり返します。
 できなかった問題をできるようにしなければ学力は決してあがりません。
 予習をすると、すごく勉強の効率がアップします。授業中、わからずジーッと聞かされると苦痛を感じる。それが予習で少しでもわかっていると全然違う。
 試験勉強は、ほとんどが暗記です。記憶力は向上するものです。
 単語なら、0から100語を覚えるまでは大変ですが、1000語覚えた人が1100語目を覚えるのは簡単です。覚えるコツがわかるようになる。
 だから暗記が苦手という人も、きっとアップするという強い自信を持つべきです。
 舞台役者さんたちは、1000行のセリフを間違えずに言いますよね。彼らは勉強が苦手だったという人が多い。そこに暗記のヒントが見えてきます。
 それは声を出すということ。これが効果的なんですね。役者さんも、セリフを声に出して読むのが暗記のコツになっているのです。
 次に書くこと。メモを取ることが記憶させる基本です。メモを取ると、頭の整理がついて情報の吸収能力がグンと上がります。
 色の記憶というのはバカにできない。間違った問題の解答は赤で、教科書に線を引く。ノートも色を使って書くと、重要なポイントがひと目でわかる。
 図で覚えると、理解度が深まって頭にスンナリと入ってくる。図は記憶に残るものです。
(齋藤 孝:1960年静岡県生まれ、明治大学教授。「身体感覚を取り戻す」で新潮学芸賞を受賞。専門は教育学、身体論)

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