« 保護者からの苦情対応の具体的なポイントとは | トップページ | 勉強ギライが治る国語の勉強法とは »

子どもたちが聴き合い、つながり、学び合う学習は、具体的にどうすればできるか

 子どもたちが、学び合う学びとは、子どもたちが「聴き合い」、子どもたちと子どもたちや教師を「つなぐ」ことができる学習である。どのようにすれば、それが可能になるのでしょうか。
1 聴き合う
 聴くというのは,学ぶことの基本です。
「聴く」ことができるためには、学ぶことを、子どもたち一人ひとりが「自分の学び」として意識しているということが大切である。
「自分の学び」だから,人の話を聴こうとするのである。
2 何をつなぐのか
 具体的には,何と何をつなぐのか。
(1)子どもたちの「考え」と「考え」をつなぐ。
(2)子どもたちの「考え」と,教材をつなぐ。
  教材のねらいや,追求しているものを軸にしていく。
(3)子どもと子どもをつなぐ
  子どもの考えだけでなく,体験などもつなぐ。
  子どもたちの生活の中で、子どもと子どもをつなぐ。
(4)子どもたちと教師のつながり
  子ども同士をつなぐ前に,子どもたちと教師とつながる。
3 つなぎを可能にする条件
(1)教材解釈
  教材解釈を深めれば、子どもたち一人ひとりの学び,読みを聴きとることができる。
  教材解釈をすればするほど,教えたいと思うが、教師の教えたいことと,子どもの学びにずれが生じ、教室の空気が重くなる。
  そうならないように、教材解釈をしっかりした上で,教師はそれを出さずに,子どもの学びに反応できるようにする。
(2)子どもの考えから出発する学びに転換する
  高度な解釈のできるすごい授業からの脱却し、教師が教えないで,子ども任せにしているのではなく、子どもたち一人ひとりの理解に対応するようにする。
  子どもの読みが,どこから来ているのかを認識して,子どもたちにかえしてやる。
(3)個人学習で、子どもたち一人ひとりの考えを引き出す
  子どもたち一人ひとり、個別対応することが大切である。書くことを重視する。
  子どもたちに、いきなり一人でやれと言っても,やれない。教師が個人学習のやり方を丁寧に指導してあげる。
(4)子どもたちに連続発言への意欲をもたせる
 話せる雰囲気作りが大事である。抵抗感が薄れ、子どもたちが仲間意識が持てるようにする。
(5)聴き合える子どもたちを育てる
  受動的に聞くのではない。反応を返したり,自分の意見と似ている,似ていないなどを考える。
 聴くということが学ぶことだと実感させる。
(6)教師が子どもの発言をよく聴く
  教師が,子どもたちの聴き方の見本になる。
  子どもの発言を,教科書,仲間,自己の関係から認識する。
(7)教師がつながりを感じ取れる
  子どもたちを意識していると,つながりが見えてくる。
4 学び合う教室での子どもたちの様子
  子どもの学びから出発し,子ども同士の考え方を丁寧につなぐことで,子どもたちは次のような考えを持つ。
(1)共感「ああ,そうなんだ」
(2)比較「へぇ~。そういう考え方もあるのか」
(3)疑問「それじゃあ,これはどうなんだ?」
(4)結びつけ「ぼくの考えと,つながるな~」
(5)葛藤「じゃあ,これとこれは。どっちもいいな~。どうしよう」
(6)追求「わからない。もっと調べたい」
(7)発見(感動)「そーだったのか! わかった!」
5 学び合いの段階
 学び合いを進めるためには、つぎのような段階がある。
第一段階 
1 子どもたちに、聴く意欲を作る
(1)教師が、魅力的な語りをする
  子どもたちが,聴くことは楽しいと実感する。
(2)教師が、聴く態度を手本で示す
  教師がまず,聴き方の見本を示し、子どもたちの聴く態度を育成する。
(3)子どもたちの聴く態度で、よいところを褒める。
(4)しっかりと聴くことで、子どもたちが伸びることを実感させる。
2 安心して話せる雰囲気作り
(1)発問を子どもたちが答えやすいものにする
  目の前の子どもたちにあった発問をする。
 子どもたちの育ちに合わせた発問をする。
  答えやすい発問に、子どもたちが答えることで,話そうとする気持ちがわいてくる。
(2)話せる子と、話せない子を教師が把握する
第二段階 
1 聴き方を磨く
(1)何かを発見する聴き方
 自分の考えと似ていると共感したり、自分の考えと違うと比較したりするようにする。
(2)顔の見える机の並び方
コの字型に机を並べる。
  なぜコの字型にするのか,子どもたちと話し合って考える。
前向き,班の形など、状況によって使い分ける。
(3)反応しながら話を聴く
  まずは,教師が「うなずく」などの見本を見せる。
反応しながら聴いている子どもをほめる。
2 話す意欲と話し方を高める
(1)どの子どもも話す
思ったことや感想の発表など,どの子も話せる内容で話をする。
(2)不必要な学習話型は使わない
「いいですか」「どうですか」など,最初は使ってもだんだんと減らしていく。
(3)自分の言葉で相手に分かる話し方をする
一言発言や,オウム返しから始めて,自分の言葉で語れるようにする。
第3段階 子どもの考えから出発する授業
1 聴き手に向かって話をする話し方に
(1)誰に向かって語るのかを考える
(2)教師の机を子ども用の机にして,子どもと一緒の目線に降りる。
2 個人学習の取り組みをする
(1)自分の力で読めるように,学び方を教える。
(2)自分の読みを,ノートに書けるようにする。
(3)書いたことの発表会にならないようにする。
3 連続発言
(1)子ども同士で発言をつなぐ意識をもたせる。
(2)教師が話すのではなく,子どもたちが話すことを重視する。
(3)子どもたちが話せることを,教師も,子どもも実感する。
(4)前の人の話につなげて発言する意識を持つ。
第4段階 話題からそれない話し合いと、かかわり合って発言できる
(1)仲間発言
共感する。
(2)対立発言
  比較する。小さな違いから学ぶ。
(3)応援発言
付け足し。手助け。
(石井順治:1943年生まれ、「国語教育を学ぶ会」の事務局長・会長を歴任、三重県の小中学校の校長を努め、退職後は、各地の学校を訪問し佐藤学氏と授業の共同研究を行うとともに、「東海国語教育を学ぶ会」の顧問を務めている)

|

« 保護者からの苦情対応の具体的なポイントとは | トップページ | 勉強ギライが治る国語の勉強法とは »

授業のさまざまな方法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 保護者からの苦情対応の具体的なポイントとは | トップページ | 勉強ギライが治る国語の勉強法とは »