教師が悩みを共有し、お互い支え合いながら課題を解決していける人間関係づくりが求められています、どうすればよいのでしょうか
教師同士が雑談することでどのような効果をもたらすのでしょうか。
「同僚が自分をサポートしてくれる仲間だと感じることができた」
「ストレスをほぐせた」
「人間関係がよくなり、仲良くなることで学校が楽しくなった」
「なごやかになり、気持ちが落ち着く」
などのメンタル面で大きなプラス効果があります。
ある学校では、校長自らが職員室の後方に仕切りを作り、雑談できるようにしていました。
勤務時間外に、教師たちはそこでお茶を飲み、お菓子を食べ、子どものことなど様々なことをしゃべってから帰路につきます。晴れ晴れとした顔で帰っていくのです。
学校でのストレスを学校で解消していくことで、家庭にストレスを持ち込まないようにすることができます。
結局それは、翌日の勤務への意欲を高めることにつながっていったのです。
校長が「雑談スペースを作ったことで、先生方の仕事の効率が上がった」と、胸を張って言っていました。
雑談時間を「余分な時間」と考えず「リフレッシュする大切な時間」と考えることが必要なのではないでしょうか。
雑談のときに、どのような言葉がけをするかというと、例えば
「私のクラスに、授業中に騒がしい子どもがいるのですが、先生は騒がしい子を担任したことがありますか。もし、あればどのような方法をとりましたか?」
と、聞くとよい。
教師は誰でも教えたがりです。その部分に触れるように話すと、気軽に相談に乗ってくれます。
また、趣味の話なども、雑談の中に入れましょう。お互いのもち味や興味のあることを日頃から知っておくことが、気軽に雑談に入るためには必要です。
年配の教師は、情報機器が苦手な人が多く、若い教師にかなわないと思っているものなのです。
だから、ちょっと気後れしていてしまい、声をかけづらいところがあるのです。若い教師も、自分から声をかけていくことです。
雑談には、リラックスしたりストレスを軽減する効果があるのですから、とにかく思ったことをしゃべりましょう。
ただし、相手に対して「NGワード」がありますから、それだけは気をつけましょう。
こうした雑談スペースを上手に使いながら「悩みを聴き合える素敵な職場」を創り出すことが、教師の同僚性を取り戻し、お互いが支え合う職場を創ることにもなるのです。
若い教師は「悩みを聴いてもらえる時間がない」とよく口にします。
若い教師は、ささいなことで悩むし、落ち込むことが多い。
教師は多忙であるが、次のように同僚教師や管理職から認められることが多忙感を軽減する大きな力にもなっています。
「協力してくれる人がいる」
「やったことを認めてくれる人がいる」
「管理職や同僚から認められたり、労をねぎらってもらうと負担感が減る」
「管理職に信頼されて任されていると感じるとき」
誰もが「人から認められたい」という思いをもっています。
人間同士としての温もりこそが大切になっているのです。
悩みを共有し、お互いが支え合いながら課題を解決していける人間関係づくりが求められています。
(増田修治:1958年埼玉県生まれ、埼玉県公立小学校教師(28年間)、白梅学園大学教授。「ユーモア詩」を通じた学級づくりを進めた。2002年にNHKにんげんドキュメント「詩が踊る教室」放映。小学校教師を対象にした研修に力を注ぐ)
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