どうすれば子どもたちは教師の言うことをきいてくれるようになるのか
どうすれば子どもたちは教師の言うことをきいてくれるようになるのでしょうか。
ふだんから、子どもたちをうまく叱ることができず、子どもたちとの接し方に悩んでいませんか。
教師が子どもたちを指導するとき、
「何で毎日遅刻ばかりするの?」
「どうして先生の言うことを聞けないのだ」
というように、「何で・・・・・」「どうして・・・・・」という言い方には
「・・・・・してはだめじゃないか」という「とがめ」のメッセージだけが子どもに伝わってしまうことがあるのです。
また、
「先生の言うことが間違っている?」とか
「約束を守らないのは誰が悪いの?」など、
「先生は善、悪いのはあなた」といった形の表現が続くと、だんだん子どもが追いつめられて逃げ場をなくしてしまいます。
正論だけで迫られると、子どもは「自分は認められている」という思いになれないために、自己肯定感が高まらないのです。
善悪の判断を伝えるのは大切な仕事の一つですが、できなかった理由をあれこれ詮索するよりも、内心「しょうがないなぁ」と思いながら、その反面、どこか「次に期待する余地」を残しておいて、子どもを見守れるといいですね。
子どもが出来るまで、毎日同じことを言い続けるのも教師の給料の一部に入っていますから。
子どもから信頼されている教師に子どもたちにどのように叱り、接しているか話を聞きました。
すると、子どもが出来るまで、毎日同じことを言い続けながらも、一方では「できるまで、いつまでも待っているからね」という思いで子どもを見守り続けることが大切だと話してくれました。
それと「子どもは、なぜ教師の言うことをきくかわかるか? 子どもたちはな、ふだんから自分のことを信頼してくれる、認めてくれる、応援してくれる先生のいうことだから、きこうかなという気になるものだ」と。
荒れる子どもは心のなかに何か満たされない欲求があり、自分の話を聞いてほしいと思っています。
不思議なもので、子どもは自分の話を最後まで聞いてくれる教師の話はよく聞いてくれます。
ふだんから、自分の良いところを認めてくれる教師の注意はよく聞きます。
先生方にお願いしたいことは、子どもたちに教師から「受け入れられた」「認められた」「話を最後まで聞いてくれた」という体験をさせてあげてください。
(土井一博:公立中学校教師を経て退職後、筑波大学大学院で健康教育学を学び、茨城県等でスクールカウンセラー歴任し、埼玉県川口市学校教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー。日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会理事長。専門は教職員のメンタルヘルス、学校健康心理学、教師教育)
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