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なぜ生徒は教師の言うことを聞かないのでしょうか、どうすれば教師の言うことを聞くようになるのでしょうか

 指導する教師が生徒に尊敬されていないと、生徒は教師の言うことを聞きません。
 尊敬されていない教師の指導は、たとえ正しいことを言っても、無視されるか反発を招くことさえあります。
 人間は尊敬する人が言ったことには、耳を傾けようとします。そして、理解して自らの言動にも取り入れようとします。
 尊敬していない人の言動は自らの言動に取り入れようとしません。
 ですから、教師は生徒に尊敬されていないと、生徒の指導にはとても苦労することになるのです。
 昔は、教師が生徒に「尊敬されている」関係から教育が始まりましたが、今は教師が生徒に「尊敬される」関係をつくることから教育は始まるのです。
 教師が生徒に尊敬される関係をつくるには、どうすればよいのでしょうか。
 教師が生徒に「尊敬される」には、教師と生徒の間に「信頼関係」がないといけない。
 よく知らない隣のおじさんを初めから尊敬していた、という人はいないように、教師と生徒の間に「関わり」をつくるようにします。
 その「関わり」から「信頼感」が育ちます。
「関わり」をつくる方法は、たくさんあります。例えば、
「休み時間に一緒にたわいない話をした」
「好きな作家の小説を貸してあげた」
「共通の好きな漫画の話をした」
「ゲームの攻略法を教えた」
「去年、教えたお兄さんのことが話題になった」
「教師の子ども時代の失敗やドジな話をした」
「一緒にボールで遊んだ」
などと、教師の個性や特技を活かすのです。
 このような「関わり」があると、今度は
「先生、私ね、社会科はどうやって勉強したらいいのか、わからないの」
「〇〇くんに時々、嫌なことを言われるの」
「授業中、おしゃべりが多くて、よく聞こえないの」
などと、生徒が困っていることを話題にしてきます。
 いよいよ教師の出番です。教師は生徒の話に大いに耳を傾けて聞いてあげ、その生徒が困っていることに取り組むのです。すると、結果はどうであれ、
「この先生は、頼りになる」 
「私を見捨てない先生だ」
と生徒は思い「信頼感」が生まれます。
 子どもとの「関わり」の中でしか「信頼感」は芽生えません。「信頼感」は尊敬の大前提となります。
(吉田 順:1950年生まれ 37年間横浜市立小・中学校に勤務した。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任した。生徒指導ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の学校と関わる)

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