« 生徒を指導するとき100通りの声掛けができますか | トップページ | 子どもたちの心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか »

子どもを伸ばす、よい発問とは、どのようにすればよいか

 教師のよい発問によって、子どもは気づき、理解を深めて伸びていきます。
 子どもを伸ばす、よい発問とは、
1 明快であること
 発問するうえで最も大切なのは明快であることです。
 子どもの耳にすんなり入り、だれが聞いても同じ意味に解釈できることです。
 あいまいな発問では何を質問されているのかよくわかりません。たとえば、
「大造はどうして狙っていたガンを撃たずに銃を下ろしてしまったのでしょうか」
 といった発問は、「理由」を聞いているのか、「状況」を聞いているのか、はっきりしません。
 問われた子どもが推測して答えをのべるような発問は、不適切です。
 もし「理由」を聞きたいのなら、「大造は、なぜ、銃を下ろしたのか」
 もし「状況」を問いたいのなら、「大造は、どうやって、銃を下ろしたのか」
 というように分けて問うべきです。
2 やや難しい発問である
 子どもの能力よりも少し上の、適度に難しい発問を心がけましょう。
 文章の中に答えが書いてあるような問いは意味がありません。
 書いてあることをもとにして、書いてないことを推理させる「やや難しい」問いが、優れた発問と言えるでしょう。
「努力したら解けそうだ」という期待を感じさせる発問や、はじめは易しいと思っても取り組んでみたら手ごわいというような発問が望ましいといえます。
「やや難しい」発問をすると、子どもは「どちらかといえば、この答かな」と首をかしげ「先生はなんと言うだろう」と、授業にひきつけられます。
 次の展開を期待させる授業をするうちに、子どもの理解は少しずつ深まっていくのです。
3 充実感、満足が得られること
 自分の答えが否定され、新しい発見を通して、知的な満足が得られます。たとえば、
「ごんがいちばん哀れに思えるのはどこですか?」
 と問うと、子どもたちは全員「撃たれたところ」と答えます。
「間違いではないが、6年生らしい哀れさを見つけなさい」
 とゆさぶると、子どもたちは文章をていねいに読み返します。
 じつは「ごんぎつね」には、最終段落の冒頭に、
「そのあくる日も、ごんはくりを持って、兵十のうちへ出かけました」
 という文章があります。
「その」というのは前日の晩のことで、ごんは自分が危険をおかしてくりやまつたけを届けていることを兵十はどう思っているのか知りたくて、聞き耳を立てていると「神さまが兵十に贈り物をしているのだろう」と聞いて「引き合わないな」とつぶやくのです。
 深く落胆したにもかかわらず、「その明くる日も」、ごんはくりを届けにいって、その日に兵十によって殺されるのです。
 そこには、単に「鉄砲で撃たれてかわいそう」というのではない、哀れさがあります。
「その明くる日も」の「も」の重みに注目させて、このような読みとりの深みに至らせるには、発問による教師のリードが必要です。
 そして、子どもたちは「なるほど。新しいことを勉強した」という充実感が得られ、学ぶ喜びを実感できるのです。
4 多様な反応がある
 発問をしたとき、一つの答えしか出ないのなら、それは聞くまでもないことです。
 よい発問は、問いかけは単純明快で、答えは多様になります。
 解釈が分かれる発問は、真剣な話し合いを導きだし、読み取りを深めるのに役立ちます。
 一方、悪い発問は、複雑で、子どもは何を答えていいかわからず、答は単純になります。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

|

« 生徒を指導するとき100通りの声掛けができますか | トップページ | 子どもたちの心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか »

授業の技術」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。