授業の準備をする時間が少なく、教材研究も思うように進みません、どうすればよいのでしょうか
小学校の教師は、多くの教科等の指導を充実させるために、教材研究を欠かすことはできません。
しかし、放課後にも様々な会議や出張、各種行事の準備や資料の作成などが予定されています。
また、子どもたちのトラブルの解決や、保護者からの連絡が突然入ったりするなど、教材研究を行う時間を十分に確保することが難しい状況にあります。
教師が教材研究を行うために管理職は、どうすればよいのでしょうか。
明日の授業の準備ができず精神的に不安にならないように、学年主任や教科主任が教師たちにアドバイスするよう管理職が働きかけます。
経験に基づいて適切な発問のヒントや補助教材なども提供してもらえるでしょう。
緊急を要する場合には、管理職も加わって翌日の授業の準備や週案簿の作成に力を貸し、努力をほめたり、励ましたりしたいものです。
そうしたアドバイスによって授業が成立し、自信をもって指導をすることができるようになります。
一人ひとりの教師に具体的な指導方法をアドバイスするとともに、管理職は学校の体制を整え、教材研究を滞りなく進めることができる環境を次のように整えることに配慮します。
1 学年主任の役割を生かす
学年で教材研究を行う時間を設定し、ワークシートや練習問題などを共有化することを企画します。
それぞれの教師の得意分野を生かして役割分担を行い、教材研究の内容を伝え合うような学年会を運営できるようにします。
2 教科主任の役割を生かす
職員室等の身近な場所に教材コーナーを設け、教科ごとにファイルに自作の資料等を保管するようにします。次年度も活用できるよう教材を蓄積することがポイントです。
コンピュータを活用し、教職員用のサーバーに教材に関するファイルを保存して共有化することも可能です。
3 授業支援ボランティア等の活用
学習支援ボランティアや理科支援員などの制度を活用し、教材研究を支援する体制を整えるようにします。
その際、学年・学級の考え方や指導の方針、子どもの特性等について事前の打ち合わせを綿密に行うことが大切です。
人的パワーを生かすことによって充実した授業を行うことは、子どもの学力を高めるとともに、教師にとっても充実感や達成感を得ることができ、指導力を高めることにつながります。
予算的な措置が必要な場合は、教育委員会に相談することも管理職の重要な役割のひとつです。
(藤井千恵子:国士館大学教授)
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