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人生に必要な学力とは何か、学校はどうすればよいか

 私自身、ある時期、子どもに受験勉強を強いるのは悪いことだとは思わない。
 記憶力に余裕のある時期に、めいっぱい詰め込んでおいたほうがいいということには条件付きで賛成だ。
 子ども自身がそのことに動機づけられていればという条件だ。
 本来、進学実績だけを目標にした場合、そのための受験技術は「情報を処理する力」に負うところが大きい。これを狭義の学力と呼ぶことにしよう。
 しかし、人生を開く力はこれだけではない。
 まず、学ぶための動機づけが続くことが必要だ。
 興味関心を持ち続ける力、集中を持続する力、自分の内部エンジンで自分自身を動機づけられる力である。
 さらに、正解が一つとは限らない世の中の諸問題には、自分の持っている知識、技術、経験を総動員して組み合わせ、自分なりの解を導く力がいる。
 状況に応じて自分の持ち味を出せる力。この力を「情報を編集する力」という。これを「広義の学力」と呼んでいいだろう。
 つまり、学力テストで測れる狭義の学力も大事だが、テストでは推し量れない広義の学力も大事だということ。
 ましてや、忍耐力も、発想力も、瞬発力も、持久力も、思いやりも、愛国心も、人間としてのスケールも。
 生きるために必要なさまざまな力は、体育、音楽、美術、技術・家庭のような教科や、体育大会、学芸大会、修学旅行のような行事、部活動や教師や生徒間のコミュニケーションなど、すべての学校機能を通して複合的に養われる。
(藤原和博、1955年生まれ、リクルート社フェロー、東京都初の中学校の民間人校長、大阪府特別顧問、奈良市立高校長等を歴任した。家庭教育の機能が低下したため、親以外の大人とのななめの関係を重視した)

 

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