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キレる子どものタイプと、キレる子どもにどう対応すればよいか

 キレやすい子どもには、コミュニケーション能力が未発達であったり、気持ちをうまく表現できないために行動を起す子どもや、ADHDやLDなど特定の傾向をもった子どももいます。
 そこで、感情の発達過程で、自分の怒りに対する理解を深め、適切な表現の方法を教えていくことによって、暴力やいじめ等を減少させようという、キレにくい子に成長させる予防教育ができました。
1 キレる子どものタイプとその対応
1) 激情型の子ども
 突然怒りがこみ上げて爆発するタイプです。周囲の人はいつ怒り出すか不安で、怒らせないようにいつも気をつかっているのです。
(1)放出タイプ
 暴言や暴力などで怒りを放出したあとは、さっぱりしてしまう。
 彼らをキレにくくするためには、まず「きっかけはずし」や「リラクゼーション法」(注)を行います。
 その後、「怒りの記録」などを用いて、日ごろのストレスや自分がキレるまでのきっかけを認知的に理解させると同時に、感情の分化をうながして、一気に感情を爆発させるのではなく、適切な感情を適切なレベルで表現できるように援助していきます。
 彼らが自分の「怒り」に対する「背景」「きっかけ」「結果」を理解できるように援助します。
(2)ためこむタイプ
 爆発しそうな感情を飲み込みますので、自律神経のバランスを壊しがちです。
 このタイプの場合には、「怒りは、自然な感情であるから適切に表現することができる」ことを認知的に理解させることが大切です。
2) 慢性型
 ネガティブな思考が常にあり、くよくよと悲観的に考えがちで、いつも不快感を感じています。
(1)放出タイプ
 一度怒り始めると止めるのが難しくなり、自分や他者に向かって執拗に暴言や暴力をふるい続け、追いつめていくことがあります。
 次々とターゲットを変えて、「いじめ」を繰り返す子どもはこのタイプです。
 彼らに対する対応は、溜まっている感情が渦巻いているため本人も何に対して怒っているかわからない。
 行った行為について話しをしながら、怒りを感じている相手は、「誰なのか、どの行為が不快なのか」など、感情の整理をすることから始めます。
 同時に適切な表現方法を獲得することが大切です。
(2)ためこむタイプ
 怒りに対してネガティブな印象を持っている。
 怒りは家族や友だちを傷つけ、自分から離れてしまうことを恐れています。
 まずは、「怒りは自然な感情である」ことを受け入れることから始め、適切な表現方法を獲得できるように援助していきます。
2 キレやすい子に対する対応
 キレやすい子は、直感的、自己中心的です。
 そして、状況判断が主観的で感情や対応方法が少ない。
 感情の受け皿が少ないのは、発達過程で十分な快刺激を受けず弁別能力が発達せず、感情が未分化なままだからです。
 自分の感情を的確に理解するには、客観的な思考能力を発達させる必要があります。
 状況を的確に理解するには、「全体を見通す力」と、「状況を予測する力」が必要になります。
 特に全体を見通すさいには、相手の視点にたって状況を理解することも必要です。
 直感的な思考の子どもは、自分の具体的な体験を通してのみ理解しているため、体験していないことは理解できません。
 ですから、子どもが体験している事実を把握し、正しい現実理解を与える必要があります。
 他者の観点や立場を考えない自己中心的思考です。
「キレにくい子」にするためには、多方面からのものの見方、考え方、感じ方を発達させる必要があるのです。
 そのためには、どんな受け取り方があるのか、例をあげてシュレーションしてみることから始めるとよいでしょう。
 また、他者の立場に立って考えるようにするには、役割交換をして相手の立場に立った「具体的な体験」(ロールプレイングなど)を行うことで理解を促すと効果的です。
(注)「リラクゼーション法」の例
1 深呼吸(腹式呼吸): 緊張したときによく行われる、最も手軽な方法。呼吸を深くゆっくり行うことで、副交感神経を優位にし、リラックス状態を促します。
2 自律訓練法:決められた言語公式を頭の中で繰り返すことで、心身を緊張状態から弛緩状態へと誘導することを目的とした技法です。例:両手両足が重たい・温かい、心臓が静に規則正しく脈打っている、楽に呼吸している、お腹が温かい、額が快く涼しい。
3 イメージ療法:イメージを用い心身をリラックス状態に促します。
 例:南の島の静かなビーチの木陰で、気持ちよく寝ている。そよ風がとても気持ちいい。といった簡単なイメージを浮かべるだけでも気持ちが落ち着いてくる。
4 汗をかく程度の運動(またはストレッチ)をする
(本田恵子:私立中学・高校教師、米国留学、カウンセラー、玉川大学助教授を経て早稲田大学教授)

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