子どもたちの座席替えをするとき、どう工夫し配慮しなければならないか
1 子どもの座席替えの方法
(1)指定座席
交友関係や、学習への取り組み方、視力などの身体的特性などを考え合わせ、学習中の座席は担任が指定する。子どもの希望を大切にすることもよいが、ときには教師が決めることも必要である。
(2)子どもの希望による座席
(3)自由座席
担任が教室にいるときの給食時間に、他のグループに迷惑をかけなければ、席を自由に移動してもよい。グループの人数も自由だが、独りで食べる子がいた場合には、指定座席とする。この自由座席によって、交友関係が分かるとともに、楽しく会食することができる。
2 学習のねらいと合わせて座席替えを工夫する
学習を進めるにあたって、例えば小学校では学年が進めば進むほど、個人の調べ学習やグループ別学習を多く取り入れることが多い。そんなとき、座席の配列を工夫することによって、子どもたちが活動しやすくなったり、子どもたちの様子が見回りやすくなったり。
そして、学習のねらいと合わせて、次のような約束を子どもたちとしておくと、座席の移動も簡単である。
(1) 一斉授業で子どもたち全体に基本的なことを押さえさせたいとき
通常の前向きの机の配置で指導をする。一斉授業などで子どもたち全体の理解が必要なとき。
(2)グループで学習や作業をさせたいとき
机を合わせる。グループで学習や作業をさせる。各グループ内で番号を決めておくと、発表や相談のときの司会者の順にもなる。
(3)個人調べや学級全体の話し合いのとき
コの字に机を並べる。話し合いのときは向かい合い、個人で調べるときは後ろ向きになることを決めておく。
3 座席替えのとき配慮すべきことは
(1)グループ学習
同一グループに、学習の優れている子ばかり集まらないようにする。おとなしい子ばかり集まらないようにする。どのグループにも一人はリーダー的な子を入れる。
(2)交友関係を広げる
現在あまり親しくないが、きっと親しくなるであろうと思われる子を並ばせる。仲の良い子どうし、仲の悪い子どうしは避ける。
(3)人のよい点を見習わせる
忘れ物の多い子と少ない子を並ばせて、メモをとる習慣をつけさせる。整理整頓のできる子とできない子を並ばせて、整理の仕方を学ばせる。
(4)健康や体格を考慮する
視力、聴力の弱い子は前の方の席にする。背の高い子は、左右の端や後ろの方にする。ただし、いつも同じようにならないようにする。
(5)心理面で配慮する
不登校気味の子がいたら、気の合う子や家の近い子と並んで座れるようにする。気の強い子と弱い子はできるだけ離して座らせる。
(6)学習形態に応じる
一人でじっくり考えるときは、まわりが気にならないように一人ずつの席にする。教師が中心となって進めるような場合は、二人ずつ座らせる。数名で話し合ったり、協力して行うような活動はグループで班を作る。
数名で話し合ったり、協力して行うような活動は、グループで班を作る。机をコの字形や口の字形にする。
(塚田 亮:元東京都公立小学校長)
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